今年のバレンタインに選びたい、ニューオープン3店のチョコレート

Scene KAZUTOSHI NARITA「ボンボンショコラ」


2. THE LOUNGE(フォーシーズンズホテル東京大手町)


世界チョコレートチャンピオンが生み出す一箱の「デザートコース」

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2020年9月にオープンしたフォーシーズンズ東京大手町。そのエグゼクティブペストリーシェフを務めるのが、仏チョコレート大手のヴァローナ社主催のチョコレートデザートの競技会「C3」で世界チャンピオンに輝いた青木裕介氏だ。普段は皿盛りデザートやアフタヌーンティーを手がけるが、2月14日までの期間限定でボンボンショコラを販売している。

赤からピンクのグラデーションを奏でるアーティスティックな見た目と、自家製コンフィチュールとガナッシュの二層仕立てで、口の中で味と香りのレイヤーを楽しめるのが特徴だ。

ボンボンの“並び”にも意味があり、ぜひ左から順に食してほしい。まずは、C3で受賞したデザートの味の構成を閉じ込めたショコラだ。イチジクのコンポートに酸味のあるダークチョコレートのマンジャリとピノ・ノワールのガナッシュを合わせている。続く一粒は、ウィスキーの薫香とほうじ茶のスモーキーさを重ね、アプリコットのコンフィの熟感のある酸味と、コクのある味わい。

次は一転して、ライチの華やかさに、タイベリーのフルーティーな酸味、シャンパン「ボランジェ」が重なるすっきりとした印象。その後は、モンブランをイメージした一粒、カシスのコンフィチュールと栗のプラリネ、ラム酒のガナッシュのボリューム感のある味わいに。最後は、イチゴにイタリアのハーブリキュール「サンブーカ」、東南アジアの柑橘・カフィアライムの鮮烈な香りが印象的なガナッシュだ。

フランスのみならず、カタールやインドネシアでもキャリアを重ねてきた青木シェフだけに、所々にエキゾティックな味や香りが顔を出し、一口ごとに驚きが隠されている。

一粒のチョコレートでありながら一皿のデザートのような満足感があり、また、ダークな味わいから徐々にミルク感が上がり、最後はホワイトチョコレートと柑橘でさっぱりと締めくくる、まるでデザートコースのような構成だ。

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「バレンタインギフト 5種のボンボンショコラ」 2800円(税別) The Lounge(フォーシーズンズホテル東京大手町) *専用のブースはない為、電話予約後「ザ ラウンジ」での受け取りとなる。
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文=仲山今日子

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