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2021.02.06

ゾンビ企業に投資すべきか?

Photo by David McNew/Getty Images


筆者が思うに、航空会社のゾンビ企業順位表のなかで筆頭に挙がるのは、デルタとサウスウエストだ。その主な理由は、今年も乗客の大幅な改善は期待できそうにない、ということだ。

2020年第4四半期末の時点で、デルタ航空は1日あたり1000~1500万ドルの経費を垂れ流しつつ、167億ドルの流動資産を保有し、給与支払いのための政府救済金約30億ドルを受けていた。デルタ航空は2020年末の時点で、売却または証券化、あるいは両方の組み合わせが可能な無担保資産を90~100億ドル相当保有していると推定された。

以下のいずれかのデルタ航空債券への投資は、検討の価値がある。2024年10月28日満期の利率2.9%の場合、価格99に対して利回りは3.18%だ。あるいは、イールドカーブを伸ばして、2029年10月28日満期の利率3.75%を購入すれば、価格97.50に対して満期時の利回りは4%となる。今のゼロ金利市場では悪くない数字だ。

デルタ債があまりにリスキーに思えるなら、信用度がより高いサウスウエスト航空に投資しよう。両社の格付けは、サウスウエストがBaa1、BBB、BBB+に対し、デルタはBaa3、B+、BB+だ。もちろん、利回りは大幅に低下する。2023年満期のサウスウエスト債券の利回りは、満期時でわずか0.86%だ。2030年2月10日満期、利率2.625%の債券の利回りは約2.40%だ。なお、ここでは利回りの比較のため、できるだけ満期のタイミングが近い債券を選んだ。

ゾンビ企業は枚挙にいとまがない。パンデミックがいつまで持続し、ワクチンがどれだけ効果を発揮するか次第だが、一部のゾンビ企業は倒産を免れないだろう。彼らは今のところは、負債を抱えつつ、救済金で食いつないでいる。だが日常が戻ったあと、借金の山を片付けるのはかなりの難題になりそうだ。

翻訳=的場知之/ガリレオ

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