例としては、航空機メーカーのボーイングやクルーズ会社のカーニバル、百貨店のメイシーズなどが挙げられる。連邦準備銀行の低金利政策のおかげで、ゾンビ企業は高金利の負債を低金利の負債に置き換え、金利コストを大幅に削減している。
航空会社、石油会社、ホテル、レストラン、劇場、クルーズ会社、小売企業を見るとわかるとおり、ゾンビ企業の事業売り上げはほぼ脈なしだ。
いったい誰が、ゾンビ株やゾンビ債をポートフォリオにわざわざ含めようなどと考えているのかと、軽蔑し眉をひそめて尋ねたくなるかもしれない。筆者の答えは、「私たち全員」というものだ。
多くのゾンビ企業は、手足を縛られているも同然だ。パンデミックとロックダウン、それに新型コロナウイルスによって生じた副次的被害により、多くの企業は、多額の負債を繰り越しながら、政府の救済金を頼りに生き延びる羽目になった。融資へのアクセスが鍵となっており、経済が強固な地盤を取り戻すまでは同様の状況が続くだろう。連邦準備銀行は、この点を明確に述べている。
ゾンビ企業は売上や利益を失っており、事業の再建や拡大が不可能であることは直感的にわかるだろう。それでも、いずれ状況が改善し日常が戻ってくることに賭けて 一部のゾンビ企業に投資するのは、理にかなっているだろうか? 筆者の答えは、その可能性はあるというものだ。ただし、対象は慎重に選ぶべきだ。
ゾンビ企業のリストのトップに挙がるのは航空会社だ。航空会社は例外なくすべて赤字であり、政府の救済を受けている。ただし、そのすべてが倒産するわけではないだろう。