米国の民主主義の基盤は、1月6日に発生した連邦議会議事堂襲撃にも動じず耐え抜いた。それでも、米議会でそれ以降続いている責任追及や疑惑が示す通り、問題点は消えていない。
政府内の不信感と一般市民の間の不信感は別物だ。米PR会社エデルマンが先日発表した報告書「エデルマン・トラスト・バロメーター2021」によると、2020年11月時点で米政府に信頼を寄せていた米国人はわずか10人中4人ほどだった。他の先進国と比べるとはるかに低い数字だ。
2020年は激動の年で、米国では数十万人が新型コロナウイルス感染症で亡くなった。それにもかかわらず、エデルマンの調査によると米政府に対する国民の信頼度は2019年と比べて3ポイント上昇している。とはいえ、政府を信頼している米国人の割合(42%)は、オーストラリアの61%、カナダの59%と比べると著しく低い。
これは、欧州連合(EU)離脱のプロセスが長引いたことにより不信感や不満、怒りが広まった英国よりもわずかに低い。英国でボリス・ジョンソン政権に信頼を寄せていた人の割合は、2020年後半時点で45%だった。
国民の政府への信頼度が高い国の一部はアジアに見られ、中国では政府の誠実さを信じていると報告した人が回答者の82%に上った。とはいえ、この数値は2019年と比べて8ポイントも下がっている。インドでも政府の信頼度は79%と高かったが、日本は非常に低水準で37%だった。
信頼度がさらに低い国にはスペインとロシアがあり、どちらもわずか34%だった。
今年争点となる問題は多く、エデルマンの調査結果が今後改善するかどうかは新型コロナウイルスの流行状況に大きく左右されるだろう。特に大きな影響を与え得るのが、予防接種計画の効率性や、経済の本格的な復活までにかかる期間だ。