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2021.02.03

アマゾンCEOを退任のジェフ・ベゾスが情熱を注ぐ「次の夢」

アマゾン創業者のジェフ・ベゾス(Christos S / Shutterstock.com)

アマゾン創業者のジェフ・ベゾスは2月2日、アマゾンのCEOのポジションから身を引き、会長職を務めると発表した。ベゾスは今後、自身の別のプロジェクトに情熱を注いでいくと述べている。

2日に従業員に宛てた手紙の中で、ベゾスは今後、2018年に設立した20億ドル規模の慈善基金「The Day One Fund」の運営にフォーカスすると述べた。この基金は、低所得者層が住むエリアに無料でモンテッソーリ教育が受けられる保育園を設置することや、ホームレスの家族をサポートする非営利団体への支援を目的としている。

ベゾスはまた、今から1年前に100億ドル(当時の彼の純資産のほぼ10%)の資金で始動した気候変動に立ち向かうためのファンド「ベゾス地球基金(Bezos Earth Fund)」にも取り組み、「科学者や活動家、NGOらが地球を守ろうとするプロジェクト」を支援していくと述べた。

ベゾスは民間の宇宙開発企業である「ブルー・オリジン」を保有し、商業的な宇宙旅行のためのロケットを開発しているが、同社がNASAの月への有人飛行を支援できるかもしれないと述べた。

世界一の富豪であるベゾスは、2013年に2億5000万ドルで買収したワシントン・ポストの経営にもより多くの時間を注ぎ、デジタルのプレゼンスを拡大し、収益を伸ばしていくと述べた。

「私は今後もアマゾンの重要な取り組みに従事し続けるが、私には他のパッションに集中するための時間やエネルギーもある。これまで以上に力がみなぎっているし、これはリタイアを意味するものではない。私はこれらの組織が与えることになるインパクトに、巨大な情熱を注いでいく」と、ベゾスは手紙の中で述べた。

ベゾスは、1994年にシアトルのガレージからオンライン書店としてスタートしたアマゾンを創業した。今ではアマゾンは世界最大級の企業となり、ストリーミングやエンターテイメント、食料品、宅配などのベンチャーも運営している。フォーブスの試算で、ベゾスの保有資産は現在1964億ドル(約20兆6000億円)とされている。

アマゾンは2日、ベゾスがCEOを退任し、アマゾン・ウェブ・サービス (AWS)を率いるアンディ・ジャシーが後任となることを発表した。

編集=上田裕資

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