オカシオコルテス議員が語る性暴力被害と「議事堂襲撃」の類似点

Tom Williams-Pool/Getty Images

米民主党のアレキサンドリア・オカシオコルテス下院議員は2月1日、フォロワーたちに向けたインスタグラムライブで、過去に自身が性的暴行の被害に遭っていたことを打ち明けた。1月6日の米議事堂襲撃事件の現場の模様を詳しく説明した彼女は、時おり涙をこらえつつ、事件のさなかにトイレに隠れていたことを話し、その日感じたトラウマと、議事堂の議員らが直面した深刻な危機について語った。

17万人以上が視聴したライブ配信で、オカシオコルテスは、事件の当日、黒いニット帽を被った白人男性が彼女のオフィスのドアをバンバン叩き、叫んでいるのを目撃し、「自分が死ぬと思った」と語った。「彼女はどこだ? 彼女はどこだ?」と男は叫びながらドアを叩いていたという。

その男は結局、議事堂の警官であることが分かったが、彼女に対して攻撃的な態度をとり、どこに避難するべきかの指示も曖昧だったため、彼女は震えがとまらなかったという。

最終的に彼女はチームとともに部屋の外に出て、民主党のケイティ・ポーター下院議員のオフィスに避難したという。

オカシオコルテスによると共和党のリーダーらはその後、彼女に、「済んだことは忘れろ」と声をかけたが、それは虐待の被害者に対し、加害者がよく使う戦術だと彼女は非難した。

彼女は特に、共和党のテット・クルーズ上院議員やジョシュ・ホーリー上院議員らを強く非難した。彼らは、ドナルド・トランプ元大統領が申し立てた、選挙で不正が行われたという根拠のない主張を支持し、暴動の参加者らをけしかけたという。

「これらの人々(共和党)は私たちに、起こったことは忘れて前に進むべきだ、大したことではないと話し、それどころか、私たちが謝罪すべきだとさえ言うが、これらはよくある虐待者たちの手口だ」とオカシオコルテスは話した。

「私は性的暴行のサバイバーだ。私はこの話をあまり公にはしてこなかったけれど。しかし、一度トラウマを経験すると、別のトラウマがそれに重なるようになる」

SNS上で殺害予告も


昨年2期目の当選を果たしたオカシオコルテスは、米議会で最も注目を集める進歩的なリーダーの一人であり、極右グループからは極端な憎悪の対象となっている。彼女は1月12日のインスタグラムライブで、議事堂の襲撃事件の当日に、共和党の議員が彼女の居場所を暴徒たちに教えるかもしれないという恐怖を感じたと話し、「誘拐されるか、もっと悪い事態になる危険を感じた」と語っていた。

その際に、彼女は「死ぬかと思うような経験をした」と述べていたが、セキュリティ上の理由から詳細にはふれなかった。その後、米司法省は、議事堂の襲撃に参加し、SNS上で「オカシオ・コルテスを殺す」と脅したとされるテキサス州の男を告発した。ギャレット・ミラーというその男は裁判までの間、拘留を命じられている。

[訂正]オカシオコルテス議員が語った性的暴行の被害について、タイトルで「レイプ被害」としておりました。お詫びして訂正いたします。

編集=上田裕資

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