「Z世代はリーマンショック後しか知らない世代です。株に対して関心が高い世代は、アメリカですと、X世代とその上の世代のベビーブーマーです」。日本の場合は残念ながら、投資に熱心な世代はいないという。
「日本はインフレが30年間起きていません。そのせいで、GDPが上がらず、物価指数も上がりません。物価指数と株式市場は、一緒に上がるようになっています」
物価が上がる社会とそうでない社会とでは、考え方が違う。
「GDP、物価指数、株式市場、全て同時に動くものです。どれも日本の場合は30年間横ばいです。僕はウォール街にいた時から、日本について聞いていたんです。Lost decades(失われた20年)。今まさにその深刻さを経験しています」
何もしないことは、人生において一番のリスク
高橋ダンが、これから投資を始める日本の若者に伝えたいことは (Unsplash)
そして、高橋は日本の若者たちに伝えたいメッセージがある。
「いくら考えても、いくら悩んでも、挑戦してみないとわからない。だから何回も試して欲しいです。一番大きな人生のリスクは何もしないことです。日本は年金問題や、人口減少、政府の莫大な借金など、僕たち一人では解決できない深刻な問題があります。悩んでもしょうがないと思うかもしれませんが、できることもあるはずです。
世界がどう動いているかを学び、挑戦してほしい。自分の生活水準を高めるために、何ができるか考えみてください。僕も『発信』という形で日本を変える一人になるつもりです。
何もしないことは、お金を失うよりも大きなリスクです。20代30代は、これからの人生に向けて最も時間があり、有利な時期であると考えています。恐れないでチャレンジしてください」
投資は新しいスキルである。資産を世界に分散させることで、よりリスクを減らすことができる。何よりも投資は、世界に関心を持ち、学べる絶好のチャンスなのである。失敗を恐れずに、小さなことからでも挑戦することが人生を豊かにする「投資」なのかもしれない。
(前編:ウォール街を闊歩した投資家高橋ダン コロナ禍にYouTuberになったわけ)
連載:グローバル女子大学院生が見る「世界の20代のトレンド」
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