「長期的に運用する時、『いつまでいくら貯まるか』を計算して始めるといいです。例えば、貯金してきた100万円を投資するとします。そのあと、複利効果を書いておくのです。6%で増やしたら、今持っている100万円がどれくらいになるのか。30歳、40歳、50歳の頃にはどれくらい貯まっているのか。これらを明確に書いておけばいいでしょう」
そうすることで、1日で1万円や5万円もの資産が減ったとしても、ゴールの時点の金額を大体把握しておくことで、折れずに投資を続けられるという。
アメリカと日本の若者の根本的な違い
人生の多くをアメリカで過ごした高橋。それぞれの国民性は投資にどのような影響を与えているのだろうか。日本とアメリカの若者の違いについて、高橋は次のように話した。「アメリカの若者はリベラルな一方で、日本の若者は責任感が強いですね」。
アメリカの有名エリート大学群である「アイビーリーグ」への入学も、学業の成績だけでなく音楽やスポーツなど、バランスが良いことが合格の条件だ。学力だけで「優秀な学生」と判断しないのだ。
「実は、アメリカも日本も、若者たちはあまり投資を積極的にしていない印象です。なので彼ら彼女らの特徴の違いを話すと、アメリカの若者は、『自分がどうしたいか』についてよく考えます。CMでも『Be yourself(ありのままでいよう)』というメッセージを含んだものをよく見かけます。カリフォルニアやニューヨーク、ボストンなどを見る限り、ビジネスに挑戦する人が多いです」
一方で、日本の場合は「Take care myself(自分のことは自分でなんとかする)」の傾向が強いと指摘する。アメリカの若者に比べ、現実的で責任感が強い。緊急時には皆がマスクをきちんとつけるように、規律性があるのも、日本の長所だ。しかし、教育の影響もあるのか、アメリカの若者と比べると「想像力」に違いがあると高橋は指摘する。
「日本は他人と協力したり、グループで行動できたり、とにかく協調性と責任感が強いです。しかし、ビジネスで大きく挑戦している人はまだまだ少ない印象です。僕が住んでいたベトナム、シンガポールやジャカルタなども、起業までいかなくても若い頃からベンチャーキャピタルに身を投じるなど、大胆にチャレンジしています」
日本の若者は責任感が強いゆえ、失敗を恐れる傾向もより増す。グループ内の人や周囲の目を非常に気にしてしまうのはもったいない。