マネー

2021.02.07

金融系YouTuber高橋ダンに聞く、20代から始める投資の作法

YouTuberとして活躍する投資家 高橋ダン

近年、手軽に口座を作れる「ネット証券」が世間で注目を浴びている。自粛期間中は、個人型確定拠出年金iDeCoや、少額投資非課税制度のNISAが話題になった。日本の年金に期待できない悲観的なニュースが飛び交う一方で、最近では少しずつ資産形成の意識が高まっている。

しかし、投資や資産運用は、日本人にとってまだまだ抵抗感の強いものではないだろうか。今回は、金融のスペシャリストである金融系YouTuber高橋ダンの、日本の読者に向けた高橋流の投資のポイントを紹介する。

若者に伝えたい、3つのポイント


資産運用や投資は、「投資資金が減る可能性がある」というリスクからギャンブルのようなものだと考える人もまだまだ多いだろう。高橋は、投資に抵抗感をもつ日本の若者たちに、知ってほしいポイントを3つ紹介した。

1つ目は「分散して長期的に運用すること」。そうすることで、持っている資産が「ゼロ」になることが絶対にないと高橋は語る。コモディティ、債券、株。普段高橋がユーチューブや書籍で紹介しているように、彼のポートフォリオは常に分散されている。様々な商品に資産を分散すれば、人々が恐れている「ゼロ」になることはない。

「分散することに加え、マージンを使わないことが大切です。マージンはレバレッジとも言います。例えば、1000円しか口座に入れていないのに、1万円分の金融商品を買ってしまうような、非常にリスクのある行動です。資産を分散し、長期的に運用しさえできれば安心です」

2つ目は「自分の口座の中を見ない」、つまり毎日の変動を気にしないことだ。長期的な運用であることを忘れずに、一時の揺れに惑わされないマインドを持つ。世界的に有名な投資家のウォーレンバフェットでさえも、めったに確認しないそうだ。

「頻繁に残高を確認しない方がいいです。僕は年に4回ほどしか口座を確認しません。毎日見ると、どこの誰でもクレイジーになってしまいます」

3つ目は「失敗を恐れないマインドセット」だ。「日本は『完璧主義者の社会』です。日本は失敗を許せない、または恐れる傾向が非常に強いです。これまでいろんな国を周ってきましたが、日本はどこよりも保守的です。投資の世界は失敗が絶えません。『it is messy』なので、気にしないのが一番です」

投資では、膨大な時間をかけて努力をしても、それが報われるとは限らないのである。「投資は失敗がつきものだ。だから失敗しても大丈夫」というマインドセットが一番重要なのだという。
次ページ > 日本とアメリカの若者、決定的な違いは

文=裵麗善/Ryoseon Bae 編集=督あかり

ForbesBrandVoice

人気記事