経済・社会

2021.02.10 08:00

チョコレートは地球を救う? 持続可能な「カカオ栽培」で森林伐採を防げ

カカオが森林伐採の主な原因になっている(Getty Images)


ガーナのナショナルプランでは、森林伐採に起因する温室効果ガス排出の大幅な削減と、持続可能な森林管理による炭素貯蔵の増加を実現するために、ガーナカカオ森林REDDプラスプログラムを活用します。
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優先的アクションとして、景観アプローチの強化を通じた介入ホットスポット6地域における森林劣化の終息、気候変動対応型農法の導入によるカカオの増産、サプライチェーンのマッピング強化が盛り込まれています。

コートジボワールとガーナは、森林保全管理の改善に、それぞれの森林劣化程度に応じた異なるアプローチを採用。森林被覆および土地利用に関する最新マップ、カカオ農民に関する社会経済データ、森林管理と土地利用を対象とする詳細な運用ガイドラインを作成し、これらを公開する予定です。

持続可能なカカオ生産 企業のアクション


コートジボワールとガーナにおける企業側の初期アクションプランには、2018年から2022年に実行する業界の重要な取り組みが記載されています。これらのプランは、投資計画に必要な追加情報が政府から提供される2019年に更新が行われ、完成する見通しです。
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カカオ
苗木の配布や人材育成など、大きなアクションを起こしている(Shutterstock)

森林保護について、企業の初期プランは具体行動として、直接のサプライチェーンにおけるトレーサビリティの100%達成、農民100万人のGPS位置情報のマッピング、保護地域近辺における森林伐採のリスク評価の実施を盛り込んでいます。

企業はさらに、森林再生とカカオのアグロフォレストリーを実現するために在来種の樹木1260万本を配布、植林し、40万ヘクタール規模でカカオのアグロフォレストリーを展開するほか、農民21万5000人を対象とした環境保護活動への報酬契約の署名も行う予定です。

持続可能なカカオ生産に関して、初期プランでは、農民82万4000人に対する環境的に持続可能なカカオ栽培のトレーニングの提供と、改良種のカカオの苗木2200万本の配布、34万世帯の所得の多様化を支援する活動など、野心的な目標が掲げられています。

コミュニティへの関与について、カカオと森林イニシアチブは、7300のコミュニティで特に女性と若者を中心に、森林の保護・再生活動のための参加型の人材育成を行います。

イニシアチブの参加企業と政府は、世界銀行、英国国際開発省、ドイツ連邦経済協力開発省や、その他のパートナーの強力なサポートを受け、現地でプランを実行に移し始めています。主に以下のような施策が検討されています。
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文=Richard Scobey, President, World Cocoa Foundation

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