チョコレートは地球を救う? 持続可能な「カカオ栽培」で森林伐採を防げ

カカオが森林伐採の主な原因になっている(Getty Images)

「森林に何か問題があるときは、社会に何らかの問題がある」──ジンバブエのことわざ

過去10年にわたり、熱帯林の伐採ペースを鈍化させる徹底した取り組みが行われてきたにもかかわらず、2017年には1分につきフットボール競技場40個相当の樹木が消失しました。この森林消失のおよそ半分は、パーム油、大豆、食用牛やその他商品の商業的な農業生産によるものでした。

西アフリカでは、板チョコの主原料であるカカオが森林伐採の主因になっています。

森林の保全と再生のために、新しいソリューションが必要です。カカオとチョコレートの世界的メーカーが、 カカオと森林イニシアチブで西アフリカの政府と手を組んだ理由も、ここにあります。複数のステークホルダーが参画するこの画期的なパートナーシップは、商品主導の森林伐採に対処するうえで 景観アプローチが持つ効力を実証しています。

カカオの2大生産国であるコートジボワール、ガーナの両政府と、カカオおよびチョコレートの世界トップ企業33社は、2017年、共同のアクションフレームワークに署名しました。参加政府と企業は、カカオ供給の将来的な持続可能性と信頼性を高めながら、森林ガバナンスの向上、森林伐採リスクの低減、森林の保護と再生の促進、農民の暮らしの改善を実現するための政策変更と投資方針を具体化することで合意しました。

3月には、透明性と説明責任に対する確約に従い、政府と企業がカカオと森林イニシアチブの詳細なアクションプランを公表し、それぞれの取り組みに対する評価と進捗状況の追跡をすべてのステークホルダーが行えるようにします。

森林と土地利用のガバナンスに取り組む


コートジボワールのナショナルプランは、2018年5月に採択された政府戦略をベースとしています。戦略上のおもな優先事項は、新しい森林法の成立、森林保全回復国家基金の創設、国レベルのカカオトレーサビリティシステムの構築と実施、優先5地域におけるパイロットプロジェクトの実行などです。
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文=Richard Scobey, President, World Cocoa Foundation

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