金融市場の分析サイト「AllStarCharts.com」の創設者、JC・パレッツの最近のリポートによれば、調査した投資家の66%は相場がバブルの領域に入っているとみており、約25%はバブルに近づいているとみている。つまり、9割超の投資家が、すでにバブルが起きている、もしくは起きようとしていると判断しているわけだ。
外国為替取引業者のオアンダも最近のリポートで、中国では当局が株式バブルを警告したあと、個人投資家の市場撤退が続出していると伝えている。また、貴金属資産の運用を手がけるスプロットも、その名も「市場最大級のバブル」というレポートで、まるまるこのテーマを扱っている。
人々がなぜこれほど興奮しているのかは想像にかたくない。電気自動車メーカーのテスラの株価は重力に逆らうように連騰しており、ヤフーによると、ゲームソフト小売店ゲームストップの株価はわずか5営業日で600%超も急騰した。
2000年代初めの住宅ブームや1990年代後半のテクノロジー株の高騰を経験した人たちが、こうした光景を見てバブルだと思うのも無理はない。
だが、テックブームと住宅ブームを目の当たりにした一人として言わせてもらえば、いまの状態をバブルと判定するのはやはり間違っているように思う。
テックブームや住宅ブームは当時、ニューノーマル(新常態)のように見えていた。テクノロジーは世界を一変させようとしており、利益は重要ではなかった。住宅市場では、買い手に収入や仕事や資産がなくても問題ではなかった。なぜなら、住宅ローンに担保されたその債権はAAAの格付けを得ていたからだ。