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ハブとなるサーバの数を増やすことで、伝送経路を最短に


そして、おそらく、5のネットワーク構造にも大きな違いがあると思われる。例えば郵便で考えてみると、手紙はポストから宛先に届くまでに下記のような流れを持つ。

1. ポストに投かんされる。

2. 郵便がハブとなる郵便局に集められる。

3. 機械と人員を備えたハブ郵便局で仕訳し、送り先の地域のハブ郵便局に基幹配送される。

4. ハブとなる郵便局で地場の郵便局に小口で仕訳される。

5. 配達員が、宛先に届ける。

通常、インターネットで通信をする場合も同様にデータは大手町や堂島などに存在するハブを経由して、目的地に到達する(P2Pと呼ばれる仕組みを利用すると、1と5を直結させバイク便のように直接届けるので最も高速に配送が可能であるので、当初、ClubhouseはP2Pを利用していると予想された)。

ところで、この流れを見ると、2で郵便局で集められた後に、そこから直接4で地場の郵便局に送られたら、通常のやり取りに比べて非常に早く手紙が届くことに気付くと思う。そして、なぜこのような遅延が発生する構造になっているのか? という疑問が生まれるに違いない。

手紙での配送を想像すると、ハブとなる郵便局には、大量の郵便物を捌くために大量の郵便局員や宛先の読取機械、仕訳機械が必要になる。ここに大きなコストがかかる。

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ハブとなる郵便局の図

同様に、インターネットでデータを通信する場合も、ハブを増やせば増やすほど、データの仕訳に必要なコンピュータの量が増えていく。そして、仕訳はパケットごとにおこなわれるので、パケットの量が増えれば増えるほど仕訳の回数が増え、同様に必要なコンピュータの量が増えていく。これが、2つ目違いである「ネットワーク上に配置されたハブとなるサーバの数」だ。

Clubhouseでは、おそらくデータの経路上に大量のハブとなるサーバを配置している。これによって、データの伝送経路を最短化し、より遅延を減らしている。

いわゆる、エッジサーバであるとかエッジクラウドと呼ばれる技術である。

例えば京都と東京の間で直結で通信した場合でも、最短でも2ms程度の遅延が発生するが、この経路が複雑化するとより遅延が増えて違和感が増えてしまう(実際は様々な処理も含めてその数倍以上遅延する)。しかし、このエッジクラウドの技術を利用すると、経路を最短・簡約化することが可能となる。

文=久池井淳 編集=石井節子

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