ビジネス

2021.02.01 06:00

エクスペリエンス管理のQualtricsが上場、時価総額200億ドル突破


クラウド企業への期待も追い風に


この数カ月間、クラウド企業は株式市場で高い評価を得ており、クアルトリクスもその恩恵を被ることとなった。エクスペリエンス・マネジメント(企業が顧客や従業員からの意見やフィードバックをトラッキングして対応することを支援するサービス)の競合では、Medalliaの株価が28%上昇していたが、1月28日に約10%値下がりした。また、SurveyMonkeyは132%上昇し、1月28日も約4%値上がりした。

クアルトリクスの評価額の増加率は、コロナ禍を追い風に急成長したクラウド企業と、オラクルやセールスフォース、ワークデイ、SAPのような成熟したテック企業の中間に位置する。SAPは、クアルトリクスを傘下に収めて以降、株価が20.8%上昇した。クアルトリクスのIPO申請書類によると、2020年第1四半期から第3四半期の売上高は、5億5000万ドルで、前年同期比43%増だった。ネットリテンションレートは122%で、2年前とほぼ同じ値だ。

「我々はより優れた会社になり、私自身、より自信を深めることができた」とスミスは話す。

最近のIPOでは、初日に株価が急騰するケースが多いことを受け、従業員や会社にとってより実入りが大きいダイレクトリスティングを選択する企業が増えている。クアルトリクスの場合、IPOまでは株式のほぼ100%をSAPが保有していたため、株価が高騰した分はSAPの実入りとなる。

クアルトリクスの株価は、市場のクラウド企業に対する高い評価を反映している。「今の市場動向については、どう捉えれば良いのかわからない。2018年の段階で既にクレイジーだと思っていた」とスミスは話す。

個人投資家の影響力増大に伴うボラティリティーの増加が“ニューノーマル”になっている。「私は、市場の動きを一日中見なくて済むので、運が良い。もしそうしなければならないとしたら、頭がおかしくなってしまうだろう」と彼は語った。

編集=上田裕資

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