進行する人類史上最大の技術転換、世界情勢も変化へ

Busakorn Pongparnit / by Getty Images


このようなシナリオが実現すれば、パリ協定の目標の順調な達成を後押しするだけでなく、国際協力と地政学的な摩擦の減少につながり、世界情勢は安定するだろう。石油業界が長年にわたり広めてきた神話が崩壊した今、エネルギーの移行を活用し、大幅なコスト削減と雇用創出を実現する時がきている。

こうしたシナリオの実現に向けた機運を高める上で、コロナの流行は何らかの役割を果たしただろうか?

トランプ前米大統領やブラジルのジャイル・ボルソナロ大統領は、コロナ危機への対応に大きく失敗し、信用を失った。他方で、人々はコロナ対策のロックダウン(都市封鎖)により数週間にわたりきれいな空気を味わったことで、協調した取り組みが即座に目に見える効果につながることに気付いた。コロナ前の生活を取り戻すのではなく、別の道を思い描く人は増えている。

私たちは今、史上最大の技術的転換期に入っている。懐疑的な考えや偏った異論は捨てて、消費者として、投資家として、そして有権者として、あらゆる面で足並みを揃え、ひとつの方向へ進むべき時がきた。これほどまでに重大かつ実存的な課題は、過去になかった。2020年は苦難にあふれた年だったが、この課題を克服する上での転換点となったことを願いたい。

編集=遠藤宗生

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