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アウトドアの持つ多様な価値。不便を楽しむ魅力は防災にも転用できる発想だ。

「ソロキャンプ」「ベランピング」など、アウトドアをキーワードにした楽しみ方が、コロナ禍において需要を集めている。密を避けながら自然に癒されようと、アウトドアを始めた人もいるだろう。

このアウトドアで得られるスキルやアイテムが、いま、防災への転用として可能性を示している。2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震と、この国において防災は自分ごととして受け止める必要がある。アウトドアと防災の越境の文脈を考える。

アウトドアと親和性の高い防災


アウトドア&ライフスタイルイベント「FIELDSTYLE JAMBOREE 2020」が2020年秋に愛知県で実施された。「AICHI SKY EXPO」の屋内2ホールと野外特設会場に、約400ものブースが登場した。

人気のフードブースを集めた「SOUL FOOD JAM」をはじめ、植物のある暮らしを提案する「Sweet Jungle」、アウトドアのノウハウを活かして防災やエコの意識を高めるコンテンツ「Safe Life Keep Smile」、ストリートスポーツを扱う「NINJAGAMES」などが揃う。テーマは、“遊び”である。“充実したライフスタイル”は、遊びから得られるからだ。昨今、こういったアウトドアイベントが増えてきているが、だからこその差別化が進んでいるように見える。

出典ブースの様子

実行委員会代表・小池知宏の地元は愛知県。長く住んでいるからこそ見えてくる課題を教えてくれた。

「豊田市はトヨタ自動車の発展に支えられ、経済的に豊かになった一方で定年後のシニア層が時間を持て余すことがあります。真面目に働いてきた数十年を経て、定年しても“遊び”の選択肢が少ないのです。車社会であるが故に、行き慣れた目的地との往復だけで外からの刺激も多くない」(小池)

時間もお金もある。しかし時間の豊かな使い方を知らない。そんなシニア層にも“遊び”を提案するのが「FIELDSTYLE」の主目的だ。だからこそ、コンテンツを「アウトドア」に限定せず、多様な価値の提案を行う。そして、防災についても、時間をかけて提案している。

「防災をアウトドアと親和性のあるものとして捉え、学び、備える意識を高める活動につなげています」と小池は語る。意識しているのは、防災をいかに日常のライフスタイルに浸透させられるか。その鍵は誰もが使いたくなる“かっこよさ”や“楽しさ”にあるという。

豪華なキャンピングカー

「なかなか教科書的な情報だと受け入れにくいものも、日常の生活に似合って、かつ、素敵なデザインなものは使いやすいのではないでしょうか。先日の停電でも、デザインされたポータブル電源を使っている人が報道されていました。ランタンや寝袋も、かっこいいなと思うものであれば日常で使ってしまいますよね」(小池)

デザインの良いランタン

かっこいいから使いたい、といった自発的なマインドで防災と向き合う。これが持続可能な防災対策に繋がるのだ。

文=齋藤優里花 編集=上沼祐樹

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