I’m the CEO of CultureBanx, redefining business news for minorities.

Justin Sullivan/Getty Images

コーヒーチェーンのスターバックスは、「レジリエンス・ファンド」を新たに設立。ビジネスの成長に必要な資本へのアクセスが不足しているコミュニティにおいて、「人種間格差の是正と環境面でのレジリエンスの促進」のために、今後4年間で1億ドル(約104億円)の投資を行う計画だ。

スターバックスはこうした資本金について、地元のコミュニティ開発金融機関(CDFI)と連携して分配する予定だ。CDFIは一般に、マイノリティコミュニティにおける銀行取引に深く関与しつつ、困難を抱える地区の再生や地域経済の活性化を通じて、黒人やヒスパニックの起業家の成功を後押しすることを視野に活動している。

ただし一部からは、スターバックスが人種的・社会的平等のための本当に踏み込んだコミットメントを、とくに同社が操業するコミュニティにおいて実践できているのか、疑問視する声もあがっている。

2020年夏のBlack Lives Matter抗議行動を受け、カルチャーバンクスはスターバックスを、人種差別に苦しみ困難な社会経済的状況にあるコミュニティの支援のために数百万ドルの投資を約束した企業のひとつにあげた。ただし、1億ドルという投資は、同社売上のごく一部でしかない。具体的に言えば、2020年第4四半期におけるスターバックスの売上は62億ドルであり、社会正義へのコミットメントとしての1億ドルの投資は、売上のわずか1.61%だ。

ペンシルベニア州フィラデルフィアの店舗で2人の黒人男性が逮捕された一件のあと、スターバックスが多様性促進を大胆に宣言することは珍しくなくなった。スターバックスは3年前、ワシントン州シアトルにある本社オフィスと、8000の直営店舗を休業して、半日間の偏見防止トレーニングを実施した。これは、1200万ドルの利益を犠牲にするものだった。それ以降、同社の多様性・平等・インクルージョン(DEI)プログラムは増えている。

興味深いことに、RBCキャピタルマーケッツによれば、環境・社会・ガバナンス(ESG)投資に特化して積極運用されているファンドを備え、かつS&P500に入る飲食店株のなかで、スターバックスはもっとも人気が高い。同社の株価は、過去2年間で58%上昇している。

加えてスターバックスは、今後5年間で事業運営部門における黒人・先住民・有色人種(BIPOC)の割合を30%に、小売・製造部門における同割合を40%に増やす目標をすでに発表している。これが役員報酬にどのような影響を与えるかは不明だが、社内の多様性を推進させるには、同社はペースを上げて歩みを進める必要がある。

米国のスターバックス従業員のうち、黒人は8%、ヒスパニックは27%、アジア系は6%、複数の人種的アイデンティティをもつ人は5%だ。一方、事業運営部門では、白人が65%を占めるのに対し、アジア系は19%、ヒスパニックは7%、黒人は4%に満たない。スターバックスの多様性とインクルージョン(D&I)に向けた取り組みは前途多難と言える。

ファンドの設立という今回のスターバックスのイニシアチブが、意味のある変化をもたらすかどうかはまだわからないが、広範な社会正義の実現と平等なカルチャーの創出に向けた前向きな一歩であることは間違いない。

レジリエンス・ファンドによる資金提供の最初の対象地域は、シアトルやフィラデルフィアのほか、ジョージア州アトランタ、ミシガン州デトロイト、テキサス州ヒューストン、カリフォルニア州ロサンゼルスとサンフランシスコのベイエリア、フロリダ州マイアミ、ミネソタ州ミネアポリス、ルイジアナ州ニューオリンズ、ニューヨーク市、ワシントンD.C.などが予定されている。

翻訳=的場知之/ガリレオ

PICK UP

あなたにおすすめ