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2021.01.29

ビットコインは「有事の緊急避難先」になれるか

Photo by Aleksi Räisä on Unsplash


ある研究結果によると、少なくとも2019年の段階では、ビットコインは主に投機的な目的で保有されていたようだ。ビットコインを保有しているのは、頻繁に売買を繰り返すトレーダーであり、リスクの高いポートフォリオを保有しているケースが多いと、この研究は伝えている。

したがって、投資家層を考えると、ビットコインは、資産の安全な避難先にふさわしい値動きを見せる可能性は低いということになる。

結論を出すには早すぎる


ビットコインに関する課題の1つとして、そのポートフォリオの性質を現実的に評価するには、まだ時間が足りない点が挙げられる。長い歴史を持つ金融資産であっても、市場のサイクルが違えば、それまでと異なる値動きを見せることはある。そのため、十分な情報に基づいた見解を導き出すためには、多くの場合、複数の市場サイクルを経た上で値動きを検証する必要がある。

当然だが、ビットコインに関しては、こうした検証はまだできない。誕生してから間もないためだ。それでも、2020年より前のビットコインの取引パターンの分析からは、ボラティリティが高く、下げ相場で株式相場との連動性が高まる傾向が示唆されている。

ただし、ビットコインが時とともに進化するなかで、その投資家層やポートフォリオの特徴が変化する可能性はある。長期的に見れば、ビットコインは金の代替となるようなポテンシャルを秘めているかもしれない。だが今のところは、取引の実態を見る限り、緊急時の安全な資産の避難先としてふさわしいとは言えない状態だ。

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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