中国が「肛門でコロナ検査」開始、春節前の封じ込めに奮闘

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2月の大型連休の春節の前に、新型コロナを封じ込めようと奮闘する中国当局は、肛門に綿棒を差し込む新たな検査方法を北京で導入した。

中国中央テレビ(CCTV)は、この検査は高リスクの人々を対象に計画的に実施されるものだと報じたが、ブルームバーグなどの複数の海外メディアは、一部の人々に予告なくこの検査が実施されたと伝えている。

1月27日のブルームバーグとワシントン・ポストは、北京に到着する乗客や隔離された地域の住民らが肛門の検査を受けたと報じており、現地の当局によると、ウイルスにさらされた可能性のある1000人以上の学校の子供や教師らも対象になったという。

この検査では、綿棒を直腸に1~2インチほど挿入してウイルスの検査を行うという。

「肛門の綿棒テストは鼻や喉のテストよりも精度が高い可能性がある」と、北京佑安医院の呼吸器および伝染病部門副部長のLi Tongzeng は、国営メディアの取材で述べた。これまでの研究から、ウイルスは肛門や排泄物の中において長く持続することが分かっており、肛門の検査は、無症状もしくは軽症患者向けのテストとして優れている可能性があるという。

フォーブスは、この検査の詳細について中国の保健機関に連絡を取り、米国のCDC(疾病予防管理センター)などにも、同様の検査を導入する計画があるかどうかを尋ねている。

中国政府はコロナウイルスを封じ込めるために、極端な措置を取ることを厭わず、都市全体や場合によっては省全体をロックダウンし、人々を長期間隔離したり、強制的な検査を実施している。

このアプローチは概ね成功した模様で、世界最大の人口を持つ中国は、他の諸国のような悲惨な状況を回避できている。世界で初めてウイルスが検出された武漢の人々の暮らしは、ほぼ通常の状態に戻っている。

しかし、ここ最近で、再び感染拡大の兆候が見られる中で、当局はコロナを封じ込めるために必死の戦いを繰り広げている。

すべての専門家が、肛門のコロナ検査を有効と考えている訳ではないようだ。武漢大学の病理学の専門家のYang Zhanqiuは中国の環球時報(Global Times)に、鼻と喉の検査が最も効率的だと述べた。「患者の排泄物からコロナウイルスが検出された事例はあるが、消化器系を介してウイルスが拡散したことを示す証拠はない」とYangは述べた。

編集=上田裕資

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