検索すれば植林に繋がるECOSIA
2009年にドイツ、ベルリンの企業によって立ち上げられた検索エンジン「ECOSIA」。創設者はクリスチャン・クロール。世界旅行で森林破壊の惨状を目にしたことがきっかけだという。
検索エンジン「ECOSIA」のロゴ
ECOSIAは自らを「カーボンネガティブ(Carbon negative)」と名乗っている。カーボンネガティブとは、経済活動で排出される二酸化炭素などより、吸収する二酸化炭素などが多い状態を指す。植林活動ほかを通じてこの定義を達成すれば、カーボンネガティブ企業を名乗れる。
ECOSIAはグーグルやヤフーと同様に無料で検索が可能。広告利益の80%が植林・森林再生活動を行う非営利団体への寄付に充てられる仕組みだ。
ECOSIAは砂漠化した「ブルキナファソ」をはじめ、ペルーやマダガスカルでの植樹プログラムの資金調達に協力している。サイト内には、どんな植林プロジェクトに資金活用されているかの掲示もある。19年には6000万本の植林を達成した。ユーザーは「検索するだけ」でエコに、世界の植林に貢献できるのだ。
ペルーでの植樹プログラムの様子。「ECOSIA」HPより。
非営利と営利を両立させたソーシャルビジネス
ECOSIAのビジネスモデルは「ソーシャルビジネス」を謳っている。社会問題の解決を目的とした事業を指すソーシャルビジネス。ECOSIAはCEOへの多額な報酬や株主への配当を支払う分、それらは植林プロジェクトなどへの資金提供に活用。営利でありながら、限りなく非営利に近い「ハイブリッド」としている。
ドイツ初のBコーポレーションに
ECOSIAはこれらの取り組みが評価され、2014年にドイツ初の「Bコーポレーション」に認定された。アメリカの非営利団体B Labが運営する認証制度、Bコーポレーションは、企業の透明性や環境へのインパクト等厳しい基準をクリアした企業のみ認定されるもの。世界71カ国、3000社以上が取得。アウトドアメーカー大手のパタゴニアなどが代表的だ。日系企業での取得は5社と少なく、20年6月には日本の食品業界で初めてダノンジャパンがBコーポレーションに認定された。