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2021.01.30 10:00

他業界の常識を取り込み、ホテル業界のトリガーになる|L&Gグローバルビジネス 龍崎翔子#3

L&Gグローバルビジネス 龍崎翔子


小学生の頃から抱き続けた夢で起業


──あらためて、龍崎さんがホテルスタートアップを起業された理由をお教えください。
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私がホテルをつくろうと思った原体験は、小学生の頃、アメリカ旅行をした際、毎日違うホテルに泊まっているのにどこも同じような中身で面白くなく、自分だったらこういうホテルに泊まりたい、と思ったことです。

帰国後に日本のホテルを見ても、どの町のホテルも価格・立地・温泉の有無・食事の有無くらいしか違いがありませんでした。服選びのようにいろんな選択肢から自分が一番欲しい一着を選ぶような消費体験が、ホテル選びでは出来ないことにすごく不満を覚えたんです。

自分らしい服を選ぶとか、自分らしいアーティストを聴くという選択は、自分のアイデンティティを削り出す行為だと思っています。それをホテル選びでもできる環境をつくりたい。そう思い、いつかホテルを作りたいと夢見るようになりました。
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──小学生の頃から思い続けてきたからこそ、19歳の若さで起業されたのですね。

小学生の頃に抱いた夢を現実のものとして、街の空気感を織り込むこと(=LOCAL)、出会いの生まれる場となること(=SOCIAL)、ジャケ買いされる空間であること(=VISUAL)をコンセプトに掲げた新しいホテル・温泉旅館の形を提案してきました。

逆に言うとずっとホテル作りのことばかり考えてきたので、普通の大学生みたいに友達と飲んで遊んで、、みたいな生活は完全に捨てましたね(笑)。24時間365日誰かが働いている職場なので、自分のために自由に使う時間はほとんどありません。

それでも幼い頃から思い続けてきたことを、ブレずに今もビジョンとして掲げてやれていることは幸せだと思います。

業界の「トリガー」であり続けたい


──今後の展開についてお教えください。

会社のミッションとして「Be a trigger」と掲げています。

私たちがHOTEL SHE, OSAKAをつくったことが少なからずトリガーになって、「ライフスタイルホテル」をコンセプトに掲げる宿が増えました。

このように、業界にまだない選択肢を世の中に出していくことで、それを真似してもらったり、インスパイアされたりする人が出てくる。そういうトリガーのような存在のサービスをつくり続けたいです。

具体例を挙げると、例えばホテルに近い「産後ケア施設」をつくりたいと妄想しています。

女性が出産した時に、今は自力で頑張るか親に頼るかの二択しかほぼありませんよね。そうではない第三の選択肢として、我々が産後ケア施設をつくることで女性の出産業界になにか良い影響を与えることができるかもしれない。

このように業界のトリガーであり続けること。そんな存在として、これからも新しいサービスを生み出し続け、選択肢に多様性のある社会を作り上げていきたいと思っています。

──ベンチャーナビの読者である若手起業家、起業家予備軍のみなさんにメッセージもお願いいたします。

この記事を最後まで読んでいただきありがとうございました。

最近思うのは、本当に人は一人では生きていけないなということ。私もここができないな、この人のこういうところは本当にすごいな、と思うことがたくさんあります。

自分の強みだったり弱みだったり、あるいは他の人のすごいところ、真似したいところをよく知ることで、チームとして群れをなすことができるのが人間のすごいところだと思います。

これから会社を始めようと思っている人や、夢のある人を支えようと思っている人はぜひそのことを意識していただき、夢を一緒に追いかけることができればなと思います。

もし私たちと「バイブス」が合うな、という人がいれば、お問い合わせください。

これからも頑張っていきましょう!


龍崎翔子◎1996年生まれ/東京大学在学中の2015年にL&G GLOBAL BUSINESS, Inc.を実母と二人で設立し、取締役・ホテルプロデューサーに就任。15年に「petit-hotel #MELON(北海道・富良野)」、16年に「HOTEL SHE, KYOTO」、17年に「HOTEL SHE, OSAKA」を開業。「The Ryokan Tokyo YUGAWARA」「HOTEL KUMOI(北海道・層雲峡)」の運営も手がける。

連載:起業家たちの「頭の中」
過去記事はこちら>>

文=村上 岳 提供元=DIMENSION NOTE by DIMENSION, Inc.

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