バイデン就任式で大注目の22歳詩人、人文学の価値示す

アマンダ・ゴーマン(Photo by Patrick Semansky-Pool/Getty Images)


就任式でのゴーマンの素晴らしいパフォーマンスは、私たちが人間として感じる歓喜や悲劇的状況をつかみとる言葉の魔力、そして同じ歴史を探求し、共通の課題に取り組む上での言葉の持つ力を浮き彫りとした。

そして彼女は、素晴らしい形で人文学に光を当てた。長年にわたり研究分野としての人文学の「衰退」について耳にし、人文学はもはや今の学生が欲している教育ではないとの見方に心を痛め、米国各地で文系の学科の廃止が相次ぐ状況を見てきた中で、アマンダ・ゴーマンによる5分間の詩は、人間の内面を真剣に研究して呼び起こすことが非常に啓発的である理由を私たちに気付かせてくれた。

アンソニー・ファウチ博士に感化されて医学部を目指す学生が急増している「ファウチ効果」についてはよく語られてきた。また、ロースクールの志願者も増加しており、これは「ギンズバーグ効果」とでも言えるだろうか。ルース・ベイダー・ギンズバーグ最高裁判事が昨年死去したことで、米国では最高裁の判事構成についての関心がかつてないほど高まった。

だが、大統領就任式の行われた1月20日は、作家の日だった。詩人という職業は大きな波に乗り、今後は「ゴーマン効果」が起きることだろう。

編集=遠藤宗生

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