ビジネス

2021.01.31 07:00

「機能性食品にない効果を謳うサプリメント」に投資家が注目


ミッチ・グレイザーは先ごろ筆者に、「我々は、顧客獲得戦略の最前線に(デジタル)コンテンツを据えている。パンデミックの影響で、ソーシャルメディアのエンゲージメント率が急上昇した」と語った。「DTC(消費者直販)に特化した戦略により、当社のサブスクライバー・ベースは非常に順調に成長している」

グレイザーによると、フレディは「12月だけで(売り上げが)おそらく1万%といった伸びを示しており、月間成長率を出すのが難しいほど」の好調ぶりだという。年間ランレート(推定される年間売り上げ)は約200万ドルに達しており、在庫切れを避けるため、販売をプレオーダーに切り替えざるを得なかったとのことだ。

「在庫が回復し、12月の成功を繰り返すことができれば(中略)、今後数カ月で500万~1000万ドルの売り上げを十分に上げられるだろう」とグレイザーは述べた。「これはまだ始まりに過ぎないと考えている」

科学的な裏づけが最優先


時流に乗って植物性の天然成分を使用し、エネルギー、認知機能、および脳の健康全般の向上効果を謳うサプリメントのブランドが増えており、先述したフレディはそのひとつだ。

先ごろ創設されたサプリメント企業フルーム(Flume)も、ワークアウト前のエネルギーと集中力を強化し、ワークアウト後の速やかな回復を促し、質の良い睡眠をサポートするという3種類の製品、フロー(Flow)、バスク(Bask)、およびドリフト(Drift)に、植物性成分を使用している。

フルームの共同創設者で、自然療法医のタリン・フォレッリ(Taryn Forrelli)博士は、サプリメントを開発するにあたって、植物に含まれる物質が、「フロー状態」(そのときしていることに完全に没頭している状態)の中心的要素とされる脳の化学物質をサポートする可能性を示した自身の研究がヒントになったと話す。

フォレッリ博士は声明の中で、「カフェインが脳内のドーパミンのシグナル伝達を高めることはよく知られている。このことから、ワークアウト前に摂取する当社の製品フローには、グアユサという、カフェインを含むアマゾン熱帯雨林の植物を用いている」と述べている。

「また別の植物、一般にタイのショウガとして知られるガランガルも同様に、ドーパミン経路を介して覚醒効果を発揮するという研究結果があり、利用が提案されている」

資金調達を考えているサプリメント企業にとって、科学的な裏づけをとることは常に最優先事項であるべきだとアジミは言う。なぜなら、本当の科学を基盤にしてブランドとマーケティングのストーリーを構築するほうが、その逆よりも簡単だからだ。

「我々は通常、コンセプトが実証されるまではビジネス的に関与したくないし、研究開発のリスクもとりたくない」とアジミは述べる。「我々が必要としているのは、すでに市場に出ていて非常に大きな需要のある、商業的に採算のとれる製品だ。製品の販売を増加させるには、専門知識と資金が必要になる」

翻訳=高橋朋子/ガリレオ

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