ウェイモのジョン・クラフチックCEO(Sean Gallup / by Getty Images)

アルファベット傘下の自動運転開発企業ウェイモのジョン・クラフチックCEOは先日、ドイツメディア「Manager Magazin」のインタビューで、「テスラはウェイモの競争相手ではない」と述べた。この件を報じたEV(電気自動車)関連メディアのCleanTechnicaの記事を読んだイーロン・マスクは、さっそく反論した。

「これはびっくりする話だ。テスラのAIハードウェアとソフトウェアは、ウェイモより優れている(コスト的にも)」と、マスクは1月25日にツイートした。

マスクはツイートで、ウェイモの自動運転車両のコストを強調したが、これはManager Magazinの記事でも言及されていた。クラフチックCEOは、ウェイモの自動運転車両のコストは「中程度の装備のメルセデスSクラス(米国では10万ドル台半ばの価格帯)以上にはならない」と述べた。これに対し、テスラの車両の価格は3万5000ドルからで、今後のアップデートで完全自動運転に対応するソフトウェアを搭載している。

しかし、ウェイモはその後、クラフチックCEOの発言の意図を明確にするための材料をフォーブスに提供してくれた。ウェイモによると、先日のインタビュー記事はクラフチックの発言の一部を切り取ったものだという。

クラフチックは、インタビューで、「テスラはウェイモの競争相手ではない」と発言したが、その会話の中で彼は、テスラの車両が常にドライバーが運転操作が可能な状態であることを求めていることに触れつつ、こう述べていた。「テスラは自動運転システムを開発していないが、非常に優れた運転支援システムを開発している」

運転支援システムと自動運転は違う


しかし、ウェイモはその後、筆者に対し、クラフチックがManager Magazinに対して話した内容の書き起こしを提供してくれた。下記にその全文を掲載しておこう。

「テスラは本当に良い運転支援システムを作っている自動車会社だ。そして、テスラは彼らの車両を運転する人たちに対し、周囲に注意を払い、ハンドルから手を離さないように警告し、車をコントロールしているのは自分たちであることを念押しする法的な声明を出している。彼らは本当に良い仕事をしていると思う。しかし、テスラは当社にとってまったく、競争相手ではない。彼らは運転支援システムを作る自動車会社だ。そして、ウェイモは完全な自動運転車両を作る会社だ」

「我々は、運転支援システムと完全な自動運転システムは、全く別物だと考えている。つまり、運転支援システムの開発を続ければ、いつか魔法のような進化が訪れるという考えは、大きな誤りなのだ。私たちがこれまでの経験から知った、センシングと知覚の観点から完全自動運転に要求されるものを、現在利用されている基本的で初歩的な運転支援システムと比較してみると、センサーの機能とロバスト性の点で、巨大な隔たりがある」

「そして、これは最初のステップに過ぎないのだ。センシングと知覚の後にあるのは、目の前の道路上のすべてのエージェントの動きを予測し、それらのエージェントの周囲に車両が進むべき道を計画するという本当に難しいタスクだ。このタスクには、膨大なスキルとAI(人工知能)や機械学習の知見が必要になる。私の考えでは、当社はこの分野に精通しており、非常に得意であると考えている。私たち以外の人々が、この知見を持っていて、さらに自動車を作るのも得意だと考えるのは、かなり挑戦的なことだと思う」

編集=上田裕資

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