こうした部下や同僚は、職場で人との関わりを避けたり、以前は熱意を持っていたプロジェクトに気が乗らない様子を見せたりするかもしれない。あるいは、あなたが会議室に入ったりオンライン会議にログインしたりすると大げさにびっくりしたり、会議中にまるでその場にいないかのように上の空となったりするかもしれない。ただこうした症状は他の問題が原因である可能性もあり、PTSDの診断を下すのはあなたではないことを頭に入れておくこと。
PTSDに対する治療には、投薬やセラピーなどがある。治療の目標は症状を全て消すことではなく、症状を日常生活に支障が出ない水準まで緩和することだ。
部下をサポートする上で最善の方法の一つは、従業員支援プログラム(EAP)を活用できるようにしておくことだ。EAPにより、従業員は心の健康の評価やカウンセリングを受けられるようになる。うつ病や不安症、PTSDの兆候に関する全体会議を開いてもよいが、それがグループセラピーの場にならないように注意すること。会議は、啓発のみを目的とすべきだ。
また、従業員に対してうかつに「カウンセリングを受けたらどうか」と提案はしないこと。まずは人事部や社内カウンセラーに相談しよう。
適切な支援を提供することで、トラウマに関連した症状に対して部下が支援を求める可能性を高めることができる。