As Mobile Economist at TUNE, I forecast and analyze trends affecting the mobile ecosystem.


減収率が10%だった場合のインパクトは非常に大きい。グーグルの広告売上高は、直近4四半期の平均が430億ドル、年間では、1690億ドルとなっている。減収率が10%だとすると、170億ドル(約1兆7650億円)近くの売上が失われることになる。

フェイスブックの損失も巨額だ。同社の広告売上高は、直近4四半期の平均が200億ドル、年間では800億ドルとなっている。減収率が10%だとすると、今後12カ月で80億ドルの売上が失われることになる。つまり、2社が失う広告売上の合計は年間250億ドル規模に達することになる。

両社とも、コロナ禍で広告事業が拡大しているため、実際の損失額はさらに膨らむ可能性がある。

アップルによる広告トラッキングの変更が適用された場合、影響を受けるのは主にサードパーティのアプリやウェブサイトだ。フェイスブックとグーグルは、自社のアプリやウェブサイトで配信する広告については今後も保有するデータを全て利用することができる。

アップルのプライバシーポリシー改訂により、主要広告ネットワークの収益が、今後数年にわたり深刻な打撃を受けることは確実だ。

回避策はあるのか?


一方で、損害を軽減する条件としては、以下のようなものが挙げられる。

1. 多くの人が、フェイスブックやグーグルによるトラッキングを許可すること。

2. グーグルやフェイスブックなどの広告ネットワークが、ユーザーやデバイスのトラッキングを必要としないコンテキストターゲティングの技術を洗練させること。

3. グーグルがアップルの新ルールを遵守しないこと。フェイスブックは、同社のゲームアプリ「Facebook Gaming」をこれまでに何度もアップルから承認拒否されており、プライバシールールの改訂に従うと発表している。しかし、グーグルはまだ方針を明らかにしていない。

4. 広告主がより多くの広告を配信することで、収益の下落分を補うこと。広告効果が低下することで、広告価格の下落が予想されるが、その分広告主が広告の配信量を増やすかもしれない。

編集=上田裕資

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