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ITでスポーツの持つポテンシャルを拡大


──今後、トップパートナーとしては、どのような活動をされていく予定でしょうか?

辻:僕たちは、まだスポーツ業界では素人です。まずは外からは見えないスポーツ業界の内側の仕組みを、しっかりと学んでいきたいと考えています。

そのうえで、どうすれば僕たちの培ってきたものとチームとの間でシナジーを生むことができるのか、じっくり議論していきたいですね。こういう新しい取り組みは、すぐには成功しない。なので中長期的な計画を見据えて、いままでのスポーツ業界をきちんと理解したうえで、我々の業界のエッセンスを加えた取り組みをしていきたいです。

まずは、経営のデジタル化についてバックアップをしていきたいと考えています。企業経営もデジタル化を進めることで、コミュニケーションのスピードは格段に上がります。スポーツチームの運営も同じだと考えています。僕たちはバックオフィス向けのクラウドサービスを提供していますので、きっとお役に立てるはずです。

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マネーフォワード代表取締役CEOの辻庸介

──今回のマネーフォワードさんの決断は、スポーツに投資したいという経営者が多いなか、これまで踏み込めなかった領域の扉を開いたと言えます。マンチェスター・シティを筆頭に世界中で11クラブを有するCFJから見て、これからのクラブとスポンサーの関係はどう捉えていますか?

利重:「スポンサーになる目的」をどう捉えるかですね。

これまで、そしていまでも、日本のスポンサーの形は純粋な「支援型」が多いです。しかし、欧米では、ほぼすべてが「投資リターン型」。加えて「社会課題解決型」というソーシャルグッドに立脚した目的も見られるようになっています。

そうした意味でも、今回のマネーフォワードさんとのトップパートナー契約は、日本でのスポンサーとクラブの新たな関係を示す、貴重な事例の1つになると考えています。

──FinTechのマネーフォワードとサッカーの横浜F・マリノスが手を組むことで、近年話題となっている「IT×スポーツ」という掛け合わせがまた一歩前進する予感がします。今後の「IT×スポーツ」の流れをどのようにお考えですか。

利重:業界全体の市場規模、つまりパイを大きくしていかない限り、日本のスポーツ業界を発展させていくことは難しい。そのためには、新しい技術や人材、企業を常に巻き込んでいくことが不可欠です。

スポーツビジネスとITとの相性は非常に良いのではないかと思っています。 DXの観点からもそうですし、いま多くの企業が注力している社会課題の解決についても、スポーツと ITが組むことで、できることはたくさんあります。

アフターコロナの時代に向けて、ソーシャルグッドな活動はますます重要視されることになるでしょう。スポーツを通じて、赤坂さんや辻さんのようなIT業界のプロフェッショナルである方々と、相互に優れた効果やリターンが生まれるプロジェクトをつくり出し続けることが重要だと考えています。


シティ・フットボール・ジャパン代表の利重孝夫

辻:ITの持つ力が、スポーツの持つ可能性を何倍にも増幅させる強力なエンジンになると考えています。スポーツのように、人々の感情を爆発させる力があるものって、そうそうないじゃないですか。

以前、(「THE DAY」誕生のきっかけにもなった)マンチェスター・シティのドキュメンタリー「オール・オア・ナッシング」を観て、とても感動しました。でも、あんなに必死でやっている選手の姿が、世の中にはまったく伝わっていない。スポーツの魅力はまだほんの一部しか知られていないんだと強く感じました。

それと、僕は日本のスタジアムもとても好きなんです。家族連れや女性だけでも楽しめるくらい安全で、誰もがスポーツに感動できる。そんな稀有な空間や、そこで体験する感動の瞬間を、どうやってより多くの人たちに広めていくか。それこそ、デジタルの力の見せ所だと思っています。

聞き手・文=上野直彦 編集=松崎美和子

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