アマンダ・ゴーマン(Photo by Rob Carr/Getty Images)

1月20日のジョー・バイデン大統領の就任式で、「The Hill We Climb(私たちがのぼる丘)」という詩を朗読した22歳の詩人、アマンダ・ゴーマンは早くも3冊の書籍をベストセラーリストの上位に送り込んだ。ただし、それらの本が発売されるのは今から数カ月先のことだ。

ハーバード大学を卒業したばかりのゴーマンは、史上最年少で大統領就任式でスピーチを行った詩人として歴史に名を残すことになった。

彼女の2冊の本(「The Hill We Climb: Poems」と「Change Sings: A Children’s Anthem」)は20日の夕方にアマゾンのベストセラーリストのトップに浮上した。さらに、3冊目となる著作の特別版「The Hill We Climb: An Inaugural Poem for the Country」の予約注文受付も開始された。

22日午後の時点でこれら3冊の本はアマゾンとバーンズ・アンド・ノーブル、パウエルズのベストセラーリストの上位3位以内にランクインしている。アマゾンによると、最初の2冊の発売は9月以降で、3冊目の特別版の発売も4月下旬以降になる見通しだ。

「The Hill We Climb」という詩の中で、ゴーマンは次のように綴っている。「私たちは困難な状況を乗り越え、この国は崩壊したわけではなく、ただ未完成だったことに気づいた/ この国の継承者である私たち、そして、奴隷の子孫であるシングルマザーに育てられた痩せた黒人の女の子は、いつか大統領になる夢を持つことが出来る」



ゴーマンは人生の多くの期間を、言語障害と闘いながら過ごしてきた。「今から2、3年前まで、私は"r"という文字を発音出来なかった。今でも時々、苦労している」と、彼女は21日に公開されたCNNのアンダーソン・クーパーのインタビューで話していた。

ゴーマンは、この障害を克服するために、ミュージカル「ハミルトン」の曲の「Aaron Burr, Sir」を暗唱していたという。彼女はまた、自分の詩を読むことがいかに自身の障害の改善に役立ち、生命線として機能したかを説明した。

ゴーマンは、英語教師である母親に励まされて幼い頃から詩を書き始めた。彼女は2017年に米議会図書館が設立した全米青年詩人賞(National Youth Poet Laureate)の第1回目の受賞者となった。

「ハミルトン」の監督も称賛


ゴーマンは公共ラジオNPRの取材で、就任式の詩の創作にあたり最初は苦しんだと話し、「何から始めていいか分からなかった」と述べた。しかし、1月6日の米議事堂の襲撃事件を受けて、きっかけがつかめたという。「この事件について何か言わなければならない」と考えて、6日の夜に詩を書き上げたという。

ゴーマンはここ数日で賞賛のシャワーを浴びている。「ハミルトン」の主演・監督・脚本で知られるリン=マニュエル・ミランダは彼女に宛てたメッセージの中で、「あなたのことをとても誇りに思うし、次に何を書くのか楽しみにしている」と述べた。オプラ・ウィンフリーも「若い女性の成長を見て、これほど誇りに思ったことはかつてない。マヤ・アンジェロウも応援している」とツイートした。

ゴーマンは、大統領就任式で朗読を披露してから24時間以内に、ツイッターとインスタグラムで300万人以上の新たなフォロワーを獲得した。

編集=上田裕資

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