ビジネス

2021.01.26

米スーパーのクローガー、「画面付きスマートカート」を試験導入

Caperのスマートカート「KroGo」(c)CAPER


ケイパーはスマートカートの価格を明かしていないが、アマゾンなどの企業が提供している自動チェックアウト技術よりもずっと安いはずだと述べている。

スマートカートなどを開発している企業各社は、導入費用についてほとんど明らかにしていない。ケイパーによると、同社製カートを導入した小売店は、最初の12カ月で元が取れる見込みだという。その大きな理由は、1回の買い物の量が10%以上増えることにある。買い物客が商品をカートに入れると、画面にはそれに関連した別の商品が表示されて購入を促すことができるという。

さらにケイパーの技術は、小売店側が設備を新たに設置したり、店内のレイアウトを変更したりする必要がない。そうした事前の準備は、アマゾン・ゴーの技術を選んだ小売店にとっては頭の痛い出費となりうる。

ケイパーのスマートカートをいち早く導入したのが、ニューヨーク市を拠点とする食料品店「フードセラー・マーケット(Foodcellar Market)」だ。同社は、店頭にセルフレジを設置すべきかどうか悩んでいたが、ケイパーの画面付きカートのほうが安く導入できるとわかり、2019年に取り入れた。以来、1人あたりの買い物量は18%増加している。

アマゾンも、独自のスマートショッピングカート「Dash Cart」を開発し、2020年に食料品店「アマゾン・フレッシュ」8店舗で導入した。こちらは、センサーとコンピュータービジョン(コンピューターによる視覚情報処理)アルゴリズムによって、カートに入れられた商品を自動識別する。客が店を出るときに専用レーンを通ると、カートが識別される。料金は、アマゾンアカウントに紐づけされているクレジットカードで決済される。

ケイパーの技術はまだそこまで進化していない。しかし同社によれば、年内には、カート搭載カメラとITテクノロジーによって、商品をカートに入れるだけで識別されるようになり、買い物客が商品を一つひとつスキャンする必要がなくなるようだ。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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