日本初、湘南ベルマーレが「サッカークラブトークン」を発行する理由


──湘南ベルマーレでは、昨年、クラブ初めてのクラウドファンディングを行い、4541人から約8510万円の支援金(目標額5000万円、達成率170%)が集まりました。この反響はどう捉えていますか。

加藤:やっぱり、地域の方々に支えられていると我々も選手も再認識しました。クラブの規模からすると、この金額はとても大きいもの。湘南ベルマーレがどれだけ地域の方々に熱く支えられているかが伝わり、本当にありがたかったです。

──今回のクラブトークンの販売額は、チーム運営費用とスペシャルデー開催費用に当てるとのことですが、目標額はありますか。

加藤:具体的には定めていません。まずはトークン自体を知っていただくのが使命。トークン自体がどれだけ浸透するかをこの1年間で試してみて、目標はその次に決めていきたいです。

スペシャルデー自体はひとつの目玉として用意しているので、サポーターの方々にぜひ楽しんでもらいたい。通年での企画も検討していきたいです。

湘南ベルマーレ
湘南ベルマーレのセールスユニットリーダー加藤謙次郎

サポーター参加型で、日本のスポーツ業界へ波及を


──ホーム試合でのスペシャルデーに向けて、どう盛り上げていきたいですか。

加藤:パートナー企業と一緒に企画を立てて、来場者に楽しんでいただくスペシャルデーは昨年12試合でやりました。サポーターと企画をつくるのは今回が初めてで、クラブトークンの魅力を知ってもらう重要な機会だと考えています。トークンを通じてできることを知ってもらうのと、特別な体験を実際にやってもらうという2つの軸でイベントを成功させたい。

体験では、大型ビジョンにお名前を掲載(8000円)、VIP席で試合観戦(1万円)や花火の打ち上げと支援者のお名前を紹介する(30万円)などさまざまなコースをご用意しています。他のクラブやチームに注目してもらい、スポーツ業界で広まっていけば良いと思います。

──フィナンシェの新機能としては「投票」ができるようになりました。今後はスポーツのクラブトークンの展開はいかがですか。

田中:サポーターやトークンを持っている方に、積極的に参加していただけるような企画を提案していきたいです。

まずは湘南ベルマーレとの取り組みを成功させ、継続的にやることでトークンの価値をあげる良い事例をつくりたいです。また他のクラブでも観客動員できない中で悩んでいるところに貢献できるツールの一つとして、チームや競技団体、選手個人できるだけ多くに、浸透させていければと思います。

──今後、クラブトークンを展開する中で期待感は? 最後にメッセージをお願いします。

加藤:試行錯誤するなかで、ひとつでも面白い事例が出てくると、サポーター以外の人も注目してくれると思う。海外も含めて面としては可能性があると思うので、クラブが活躍すればするほど広がっていくと思う。柔軟に新しいサービスと向き合っていきたい。

みなさんと一緒に企画を作り上げていくのが特徴なので、クラブと一緒に、さらに半歩中に入って頂いて盛り上げていくような感じで、トークンを楽しんでいただければうれしいです。

湘南ベルマーレxフィナンシェ
湘南ベルマーレのオンライン会見で、フィナンシェの田中代表取締役がクラブトークンの導入について紹介。会見後、水谷尚人社長(左)とともに撮影=フィナンシェ提供

文=督あかり

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