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ラッパーのリック・ロス(2020年12月29日撮影、Getty Images)

ラッパーのリック・ロス(44)は多くのヒット曲を生み出した他にも、自身のレーベルであるメイバック・ミュージック・グループ(Maybach Music Group)を立ち上げ、米南部ではレストランチェーン「ウィングストップ(Wingstop)」のフランチャイズ店舗も24軒所有している。

そんなロスが最近乗り出した事業は、自分の健康を見直すというキャリアの新たな一章を反映するものだ。ロスはフロリダ州の遠隔医療スタートアップ、ジェットドク(Jetdoc)に100万ドル(約1億円)を投資した。

「私はこれまで生涯を通して健康だったし、スポーツもしていた」とロス。「しかし、アーティストになって移動するようになり、週に5回飛行機に乗ったり、スタジオに長い時では1日20時間こもったりしていると、体に実害が出てきた」。ロスは2011年、そして2018年にも発作に見舞われ、2度目では1週間近く入院した。

ロスにとって、2020年は健康面での変革の年だった。「決意して、80ポンド(約36キロ)以上減量した。食習慣を見直し、もちろん睡眠の習慣も変えた。これは私の最大の問題だった」

デトロイトの医療系起業家トミー・ダンカン(41)が昨年創業したジェットドクは、オンライン医療サービスを提供しており、診察料は1回20ドル(約2100円)。月10ドルの会費を支払えば、無制限に診察を受けることができ、健康保険は必要ない。会員はさらに、大手薬局で処方薬を最大85%オフで購入できる。

ジェットドクに500万ドル(約5億2000万円)を投じたダンカンは以前、低所得者用の公的医療保険「メディケイド」加入者向けサービスを提供するトラステッド・ヘルス・プランズ(Trusted Health Plans)を首都ワシントンで創業。昨年1月には同社をブルークロス・ブルーシールド(BCBS)協会に売却した。

友人を通してロスと知り合ったダンカンは、2人の間の共通点が意外にも多いことに気づいた。「私は30歳のときに脳卒中を患い、医療分野で働いていたにもかかわらず、きちんとした医療を受けるのに苦労した」とダンカン。現時点でのジェットドクのサービス提供地域はフロリダ州だが、今年にはジョージア州や首都ワシントンなどの地域にも展開する予定だ。

遠隔医療は新興市場ながらも既に競争は激しく、ジェットドクよりも規模の大きいヒムズ(Hims)やロー(Ro)などの競合が存在する。ローはシリーズCの資金調達ラウンドで、遠隔医療企業の昨年の資金調達では最高額となる2億ドル(約210億円)を確保した。

編集=遠藤宗生

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