ビジネス

2021.01.25

ラッパーのリック・ロス、遠隔医療スタートアップに1億円を投資

ラッパーのリック・ロス(2020年12月29日撮影、Getty Images)


遠隔医療企業の多くは女性をターゲットとしているが、ジェットドクは男性に狙いを絞っている。特に目指しているのが、十分な支援を受けていない人々や、非白人の人たちが緊急医療や予防医療を受けやすくすることだ。

米厚生省によると、黒人は白人と比べ、糖尿病の割合が60%高い。また米疾病対策センター(CDC)にれば、高血圧を患う割合は黒人の成人では43%だが、白人の成人では29%だ。厚生省の調べでは、黒人は白人と比べ脳卒中を患う割合が50%高い。

自身のかかりつけ医の病院のロビーで他の黒人たちと雑談し、多くの人が高い医療費に悩んでいることを知ったロスにとって、ジェットドクの理念は心の琴線に触れるものだった。ロスは「自分にできることがあるならば、小さなことでも貢献したい」と考えた。

業界アナリストのクレイグ・セトルズは、ジェットドクのモデルは低所得者層の利益となり得るものの、医療分野での人種格差の問題は非常に複雑で多面的だと述べている。「アフリカ系米国人は一般的に不信感を持っていて、医療システムを信頼していない」とセトルズ。「私たちが粗悪な医療を受けていた例は奴隷制時代までさかのぼり、さまざまな実験などの犠牲になってきた」

カイザー・ファミリー財団の調査によると、かかりつけ医を持っていないと答えた人の割合は白人男性の間では23%だが、黒人の間では31%、ヒスパニック系では47%、先住民では36%に上った。

編集=遠藤宗生

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