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航空会社業界は昨年まで、10年間にわたり黒字を維持してきた。だが2020年には新型コロナウイルスの流行により多数の便が運航を停止し、苦境に陥った航空会社の多くが経営破綻を避けるため貨物便を飛ばした。

航空業界はコロナ流行前、2億800万回の世界一周旅行に相当する距離を運航していた。この状況に再び戻ることは考えにくいし、航空業界の復興は何よりも、予防接種や政府の決定、航空機利用の再開についての人々の感情にかかっている。

とはいえ、今後は航空券の価格が下がることで、利用客の増加が見込めそうだ。しかし出張は減る見通しであることから、航空会社は最終的に、料金の値上げを強いられるだろう。

航空各社は、旅客の呼び戻しに必死だ。欧州では、ライアンエアーがチケット料金を9.99ユーロ(約1300円)まで値下げした。ブルームバーグによると、無料の旅行保険やホテルとフライトをセットにした割安航空券の販売を検討する航空会社も増加。中国東方航空などは、バスの定期券のように定額で無制限に旅客機を利用できるトラベルパスを販売している。

多くの業界専門家は、2021年半ばには世界の大半の地域で旅行者数がようやく増加に転じ、業界は復興に向かうと期待している。

ただ、在宅勤務が普及し始めてから1年近くたった今、企業は会議や商談のための出張をせずとも会社が機能することを学んだ。出張がなくなれば経費を大きく節約できるため、出張目的の航空機利用は大きく減少するはずだ。

米紙ウォールストリート・ジャーナルは、出張は新型コロナウイルス流行前と比べ37%減少すると予想。米CNBCによれば、ビル・ゲイツはさらに高い50%の減少を予想し、「新型コロナウイルスは、流行の収束後も、人々の旅の仕方やビジネスのやり方を根本から変えるだろう」と述べている。

米紙ニューヨーク・タイムズによると、出張目的の旅客機利用は全体の10%ほどだが、割高の席を利用し、直前予約も多いため、売上高に占める割合は55~75%にもなる。

たとえ企業が海外出張の再開方針を決めたとしても、社員の身の安全が保障されるまでは再開は不可能であり、航空業界の復活には数年かかる可能性がある。

編集=遠藤宗生

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