トランプ前大統領が子供たちの警護を要請、多額の公費負担に

Paul Morigi/WireImage

ドナルド・トランプ前大統領が退任直前、国民に数百万ドルの負担を強いる可能性がある要請をしていたことが分かった。複数の報道によると、トランプは大統領警護隊(シークレット・サービス)に対し、すでに成人している自身の子供などの警護を求めたという。

シークレット・サービスは向こう6カ月にわたって、トランプの子供たちとそれぞれの配偶者など、合わせて13人の警護を継続する。一家のぜいたくなライフスタイルを考えれば、それに伴う費用は相当額にのぼると考えられる。

だが、費用は公費で賄われることから、一家が負担する必要はない。13人の警護費用をトランプ一家が自費で負担するとなれば、いくら裕福な一家にとっても、経済的に相当大きな負担になるだろう。

米政府説明責任局(GAO)が2019年初め、2017年2~3月のシークレットサービスの支出についてまとめた報告書によると、トランプの家族とその配偶者たちの移動(旅行)のための警護だけで、この間におよそ39万ドル(約4000万円)が支出されていた。

また、トランプ前大統領のホワイトハウスとフロリダ州の別荘「マール・ア・ラーゴ」との往復のためだけに、同じ期間に160万ドルが使われていたという。

トランプ夫妻には生涯にわたって、現在14歳の息子バロンには16歳の誕生日まで、シークレットサービスの警護がつくことになっている。

退任する大統領がシークレットサービスによる警護を要請したことは、過去にも例がある。バラク・オバマ、ジョージ・W・ブッシュ、ビル・クリントンの元大統領はいずれも、退任後も娘たちの警護を続けるよう要請した。だが、家族を含めて13人を対象にするというのは、前例のないことだ。

トランプ一家は警護を必要とする移動の回数が非常に多かったことに加え、通常の経費以外の支出も相当に多かった。米紙ワシントン・ポスト紙によると、首都ワシントンのクシュナー夫妻の自宅にはトイレが6つあるが、夫妻が職員に使用を許可しなかったため、シークレットサービスは近隣に家賃3000ドルの物件を借りていたという。

子供たちの資産


大統領退任の時点で、ドナルド・トランプの資産は推定25億ドル。ただ、フォーブスが2019年に行った調査によれば、トランプの子供たちの資産は父親の資産にはまだ遠く及ばないとみられる。

きょうだいの中で最も資産が多かったのは、長女のイヴァンカ。夫のジャレッド・クシュナーと合わせて、推計3億7500万ドルの資産を保有していた。長男のドナルド・トランプ・ジュニアと次男エリックの資産は、それぞれ約2500万ドルだった。次女ティファニーには、それほどの資産はないとみられる。

編集=木内涼子

ForbesBrandVoice

人気記事