複数の報道機関は過去数年にわたり、「再教育」の名目で拘束されている中国のウイグル族イスラム教徒が直面している悲惨な状況を報じてきた。少数民族であるウイグル族が現代の奴隷制度の犠牲となり、女性は不妊手術を強制されていると示唆する詳細な調査も発表されている。
集団弾圧がジェノサイドや人道に対する罪に当たると強く疑われているにもかかわらず、国際社会はこうした弾圧行為が調査され、責任者が裁きを受けるようにするための対応をこれまでほぼ取ってこなかった。国連のような国際機関は沈黙を貫き、意味のない声明をいくつか出しただけで、迫害されている人々の運命を変える決定的な行動は伴っていない。
米国では、政権交代の数時間前になってマイク・ポンペオ前国務長官が次のように発表した。
「現在判明している事実を慎重に検討した結果、中華人民共和国は少なくとも2017年3月以降、中国新疆ウイグル自治区で中国共産党の指導・統制の下、イスラム教徒が大部分を占めるウイグル族やその他の民族・宗教的少数集団に対する人道に対する罪を犯したと、私は判断した」
「こうした犯罪は現在進行中のもので、100万人以上の一般市民の独断的な拘束など身体の自由の厳しい剥奪や不妊手術の強制、独断的に拘束されている多くの人々の拷問、強制労働、宗教や信仰の自由、表現の自由、移動の自由に対する厳格な規制実施などがある」
「第2次世界大戦後のニュルンベルク裁判では、犯人らが人道に対する罪で訴追された。これは、新疆ウイグル自治区で現在行われているものと同じ犯罪だ」
ポンペオはさらに次のように続けた。
「私はこのジェノサイドが現在進行中であり、ウイグル族が中国の共産党国家によって組織的に破壊されている場面を私たちが目撃していると考えている。経済的・軍事的・政治的に見て世界で2番目に強力な国の政府が、自らを世界のリーダーとして主張し、国際制度を自らのイメージに合わせて作り変えようとしている中でさえ、弱い立場にある民族・宗教的少数派の強制的な同化と、やがて起きるだろう抹消に関わっていることは明白だ」
ポンペオは事前にその可能性が示唆されていたものの、ミャンマー・ロヒンギャ族への残虐行為にはコメントしなかった。