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フォーブスジャパン編集部


3階へ行くと、再び雰囲気が一変し、社員が昼食をするカフェテリアがあった。そしてまた友安社長が「キッチン始めました。キッチンも作りたいな~と思っていたら、できちゃったんです」とおどける。洒落た空間で、来訪者にはショールームの役割も果たしている。カーテンレールの企画販売に始まり、このようなインテリアにも幅を広げて、2015年からは東京・浅草橋にDIY・ワークショップスペース、ショールームを併設するカフェ「友安製作所Cafe 浅草橋店」も構え、注目を集めている。

友安製作所のキッチン
友安製作所本社カフェテリアにあるキッチン。社員の共有スペースだが、ショールームの役割もある

こだわりとギャップが交錯する、工場の魅力


オープンファクトリーでは、先鋭のこだわりと昔ながらのギャップが交錯する工場をいくつも目にした。業務用イス・テーブルの製造販売を手がけるオーツーも同じだ。新しい社屋に入ってすぐ3階に案内されると、そこにはデザイン性に優れたイスがずらりと置かれたショールームになっていた。友安製作所と同じく、オーツー梶原弘隆代表の「こだわり」が炸裂する空間設計だ。

さらにデザイン会社のようなオフィスとカフェテリアも広がっていた。2018年7月にリニューアルされたばかりのピカピカな社屋だ。一方で、オフィスに併設された工場の1階は昔ながらのイスの脚を形成する鉄工所があり、2階には生地の裁断や縫製、クッション材の加工など行う張工場がある。加工から縫製・裁断、組み立てまで一貫して行い、年間約10万本のイスを出荷しているという。オフィスと工場内を駆け足でぐるりとまわると、なんとも不思議な気持ちになる。本当に同じ会社なのだろうか、と。

オーツー
オーツーのショールーム。洒落たイスが並んでいて、螺旋階段を上ると、八尾の景色を見渡す屋上に出られる

オーツー
1階の鉄工所の風景。オフィス階とのギャップがすごい

梶原の父が1962年に創業し、2012年から社長を引き継いだ。イスの脚を製造する下請け稼業から脱却するために1980年代から完成品を自社で手がけ始め、いまでは自社ブランド「QUON」を展開している。鉄工所があることから、形にこだわった特注品にも対応できることが強みだ。

一方で、オフィスを新しくしたことで思いがけない効果もあった。新卒採用の人材確保に悩まされてきたが、エントリー数が10倍になったという。

オーツー梶原弘隆代表
オーツー梶原弘隆代表

梶原代表は、初のファクトリズム開催にも期待感を高めてきた。「ホーム家具と言えば、ニトリなどがメインで、業務用家具をつくってきた私たちは裏方。まだまだ一般の方にQUONブランドの認知は低いので知っていただけたら」と語っていた。

「ファクトリズム」の本当の狙いは?


「おでん始めました」。鍋で色のついた液体でぐつぐつ煮込んでいるのは、液状シリコンゴム製のロックグラス。それを手に持ち、オープンファクトリーの視聴者ににこやかに紹介するのが、錦城護謨の太田泰造社長だ。

このロックグラスは落としても割れず、耐熱温度は200℃を超え、電子レンジでも使用可能だという。八尾のものづくりを世界へ広めるため、クリエイターが協力して事業者の商品を手がける市のプロジェクト「YAOYA PROJECT」で、デザイナーとコラボして手がけた。工場では、特性の金型に原料を流し込み、機械で成形しているところを見学した。

錦城護謨
オンライン配信向けにゴム製のロックグラスを紹介する錦城護謨の太田泰造社長(左)

文=督あかり 写真=苅部太郎

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