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私たちのほとんどは、2020年が終わるのを待ちかねていたかのように、諸手を挙げて2021年を歓迎した。昨年は、パンデミックが猛威を振るい、私たちが知っていた世界を打ち砕いた。とはいえ、明るい変革の兆しもあった。新技術の導入がこれまでにない速さで進み、10年分の大転換が10カ月で起きたのだ。

私たちが目の当たりにしたのは、漸進的進化ではなく、正真正銘の革命だった。昨年1年間で、旧来のサービスや考え方、業界そのものが完全に覆され、置き換わり、時代遅れになった。非接触配送、オンラインショッピング、QRコード、毎日のテレビ会議と、私たちの日常生活のあらゆる側面が変貌を遂げた。米国の銀行もまた、急傾斜の学習曲線をたどることを強いられた。

あらゆる業界の各社が突然、適応か廃業かの選択を迫られた。銀行業界では、これまでのように対面で顧客サービスを提供することが不可能になったため、仮想預金やリモート会議、モバイルバンキング・プラットフォームへの急転換が起こった。

我々のクライアントのあいだでも、デジタルツールの導入や、オンラインプレゼンスの強化、操業形態の変化が起こった。2020年は業界を問わず、これまで想像もできなかったような新興テクノロジーの急成長がみられた。

加えて、テック業界それ自身、なかでも、記録破りの成長を果たしてきた大手企業は、中小企業に手を貸してデジタル導入を促進することを通じて、競争の場を公平なものに変えることができる。

これまでに経験してきたような段階的導入に代わって、こうした急転換が起こったわけだが、結果として将来像は明確になり、各社は、デジタル改革を実行するためのロードマップをつくるようになった。リモートワークや非接触ソリューション、デジタル体験への移行によって、私たちは否応なく、ビジネスをどう進化させるべきかを痛感した。

新型コロナウイルスのパンデミックのなかで求められた未来志向のビジネス戦略に対し、見て見ぬふりはできない。世界銀行の調査によれば、回答企業の3分の1以上が、パンデミックのあいだにデジタル技術の利用を増加させた。このステップは、現状の経済活動が続くであろう今後数カ月の顧客サービス需要に対応するためだけでなく、こうしたトレンドの多くが主流となるような将来においても必要不可欠なものだ。端的に言って、デジタル体験の向上は必須なのだ。

幸い、トンネルの先には光が見えている。調査会社HISマーキットは、2021年12月までに米国経済は670万人の雇用を創出すると予測しており、これは1939年以降のどの年をも上回る数字だ。新型コロナウイルス感染症というハードルを越えた先には、力強い経済成長が期待できる。

今後数カ月は、全米の企業にとって厳しい時期が続くだろうが、10年先を見据えた考え方を取り入れている企業は、どんな経済的逆境をも乗り切る備えができている。もう後戻りはできない。銀行は、2030年のデジタル戦略をいっそう強化していくべきだ。

翻訳=的場知之/ガリレオ

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