トランプを赤ん坊に見立てた全長約6メートルのトランプ・ベビーは、おむつ姿で、手にスマートフォンを握りしめて、わめきたてる表情をしている。2018年、クラウドファンディングで作られて以来、フランス、アイルランド、デンマーク、米国など世界各国を移動してきた。
トランプ支持者の間では評判が悪く、2019年には米アラバマ州の大学アメフト試合前、背後から刃物で刺されて「負傷」したこともある。
英国の首都の重要な抗議行動を記録しているロンドン博物館は、ロンドンで数十万人が参加したとされる2018年のトランプ訪英に対する抗議デモの重要性を認めて、2019年からトランプ・ベビーの取得交渉を進めてきたという。
シャロン・アメント館長は「ベビー・トランプの収蔵により、あの日、市をおおった感情の高まりを記録し、抵抗の瞬間を捉えることができる」と述べ、並外れて困難な時期を生きるなか、そうした感情は今日もなお重要だと続けている。
作成者側は、このバルーンがロンドン博物館に展示されることで「ロンドンがトランプに対して立ち上がった時のことを思い起こさせる」契機になってほしいとコメント。20日に退任するトランプ本人とともにバルーンも過去のものとなることに喜びを示しつつ、「これで話が終わるという幻想は抱いていない」と戒めている。