自動運転分野ではここ最近、乗用車よりも物流分野でのテクノロジーの活用に注目が集まっており、オーロラ以外にも複数のテクノロジー企業が、ロジスティクス市場に参入を開始している。
今回の契約はグローバルなもので、両社は当初、オーロラのソフトウェアやセンサー、コンピューティングシステムのテストに重点を置くとオーロラは述べている。両社は数年以内に製品版を稼働させることを目指している。
オーロラは乗用車用の自動運転システムの開発も継続するが、「ロジスティクス分野には確かな需要があり、戦略的な優位性から、まずトラック輸送に注力していく」と述べている。
全米でトラック運送サービスの需要が高まる中で、人間の運転手は不足している。さらに、高速道路上の自動運転は、都市部に比べて技術的ハードルが低いことから、自動運転によるトラック運送はテクノロジー企業にとって魅力的だ。
オーロラは、アルファベット傘下のウェイモや新興企業のTuSimpleらに続き、この市場に乗り込んだ。ウェイモとダイムラーも昨年10月に戦略的提携を結び、Freightlinerトラックの自動運転化を進めようとしている。一方で、サンディエゴを拠点とするTuSimpleもナビスター(Navistar)やフォルクスワーゲンのTratonグループが所有する大型トラックブランドと提携している。
オーロラは昨年12月にウーバーの自動運転テクノロジー部門「アドバンスト・テクノロジーズ・グループ(ATG)」を株式交換によって買収すると発表したが、今回のニュースはそれ以降で初めての大きな動きとなった。ウーバーは、この取り引きでオーロラに4億ドルを投資しており、オーロラの累計調達額は10億ドル(約1038億円)以上に膨らんでいる。