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スタートアップのすゝめ


日本でも地方への人材シフトが加速?


これがコロナ禍で一転する。リモートワークの普及でどこにいても仕事を進めることが可能となり、若い人材が狭くて家賃の高いサンフランシスコを離れて、より家賃の安い都市へと移住する「人材流出」が大きな流れとなった。

これを受けて、サンフランシスコの家賃は30%程度も下落。オフラインでのコミュニケーションがなくなってしまった以上、サンフランシスコに留まる積極的な理由が見当たらなくなってしまったのだ。もちろん一部の人材はまた戻ってくると思われるが、多くの優秀な人材はそのまま新しい都市に落ち着いてしまうかもしれない。

ベンチャーキャピタルも、これらの新しい都市に拠点を構えるところが出てきている。既にテキサス州のオースティンや、フロリダ州のマイアミなどには、元サンフランシスコ在住者によるテックコミュニティが出来上がりつつある。

こうした新しい都市にスタートアップエコシステムの裾野が広がることで、人材やスタートアップそのものも多様化し、これまで以上にイノベーションが加速されることとなるだろう。

こうした流れは、日本のスタートアップエコシステムでも起こりえることではないかと思える。これまで極端に東京一極集中だったスタートアップエコシステムだったが、リモートチームで事業を進めることも十分に可能だし、対面でのミーティングなしにベンチャーキャピタルから出資を受けるということも普通となってくるだろう。

これは地方都市にとってはまたとないチャンスではないだろうか。

大企業の社員でも、完全にリモートワークの体制ができているところでは、東京から地方へ引っ越す社員もいると聞く。地方の大学を卒業する優秀な学生も、無理して東京に出て就職しなくても、地元にも選択肢が増えてくる可能性もある。最近は優秀な学生ほどスタートアップへの就職を志望する傾向もあるようなので、採用もやりやすくなるだろう。

私は、日本の未来はスタートアップが変えていくと信じている人間の1人だが、その動きが東京だけではなく、これまであまり注目されてこなかった地方の都市からも出てくるようになれば、こんなにワクワクすることはない。

連載:スタートアップのすゝめ
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文=村瀬 功

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