Karl Tapales / Getty Images

テクノロジー大手のグーグルは、ネット上に氾濫する新型コロナウイルスのパンデミックに関する偽情報や陰謀論への対策を進めている。その一環として同社は1月12日、ワクチンに関する偽情報への対策を行うファクトチェック・プロジェクトを立ち上げ、最大で300万ドルの資金を拠出すると発表した。同社はこの発表において、全世界的に予防接種の取り組みが始まるなかで、ワクチンに関する偽情報は特に深刻な問題となっていると指摘した。

資金拠出を発表したブログ投稿で、グーグルは「Covid-19 Vaccine Counter-Misinformation Open Fund(新型コロナウイルス感染症・偽情報対策オープンファンド)」という名前のこのプロジェクトについて、「ファクトチェックのオーディエンスの幅を広げることを目的とした(ジャーナリスティックな)プロジェクト」の支援が目的だとしている。なかでも、「他の人以上に偽情報に影響されている」オーディエンスへの対応を重点的に行うという。

グーグルは、新型コロナウイルスに関する「インフォデミック(正しい情報と不確かな情報が大量に混ざり合い、信頼できる情報源や知識が必要な時に見つけにくくなってしまう状態)が事実上全世界に広がっているが、偽情報も、特定の属性を持つ人々をターゲットにして流布されている」と指摘した。さらに同社によれば、標的とされる人々は、真偽を確かめようとする人ばかりではないという。

全世界で新型コロナウイルスワクチンのワクチン接種が始まったことが、かえって「予防接種に関する偽情報という、根強い問題をさらに深刻化させている」とグーグルは述べている。その上で同社は、今回立ち上げたファンドが、現在も行われている新型コロナウイルスに関する偽情報対策を補完するものとして、「デマを暴くさらなる取り組みを支援する」ものだと述べた。

資金の拠出先については、世界各国で働く14人の「グーグラー(グーグル社員)」からなるチームが審査を行う。さらにこの活動は、規模を問わず、「ファクトチェックやデマを暴く活動を行ってきた、しっかりとした実績がある」報道機関、およびこうした機関と連携している組織からの応募を受け付けるとしている。

オンライン検索エンジンの分野で圧倒的なシェアを持つグーグルは、新型コロナウイルスのパンデミックやワクチン、治療法に関する情報においても、重要な玄関口の役割を担っている。

アルファベットの子会社であるグーグルとユーチューブはどちらも、自社プラットフォーム上で急速に拡散する偽情報への対処に苦慮している。こうした偽情報の多くは、Qアノンをはじめとする、米国大統領選挙にまつわる虚偽の主張や陰謀論と同時期に発生したものだ。Qアノンは、悪魔を崇拝する民主党員やセレブリティ、ビリオネアからなる、小児性愛者の世界的な秘密結社が存在し、ドナルド・トランプ大統領がこの集団とひそかに戦いを繰り広げているという説を掲げている。

グーグルとユーチューブは、ファクトチェックやコンテンツのモデレーション、ポリシーの改訂などを通じて、こうした虚偽情報への対策を行っている。それをよそに、パンデミックに関連する虚偽や偽情報を流布する集団はしたたかに勢力を拡大しており、グーグルとその巨大な広告ネットワークを活用して「金銭面な力を持ち、成功を収めて」すらいると、オックスフォード・インターネット研究所の調査報告書は指摘している。

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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