課題は上半身の自己演出。新ビジネススタイルの腕時計様式とは

リンクトイン日本代表 村上 臣


「もちろんオンラインでの会議や打ち合わせは以前からやってました。アメリカ本社とのやりとりも多いですし。しかし日本法人は営業がメインで、しかもお客様には大企業が多いので、これまでは先方に出向くことが多かったのです。うちは1回目の緊急事態宣言がでる前の2020年2月末から誰も会社に行っていないので、現在は営業も含めてすべてがリモートになっています。

それに大企業は在宅がメインになっていますので、自宅からでも先方に出向くことはほとんどないです。営業もオンラインでやることが多いので、このスタイルは今後も変わらないように思います」

そうなると服装も変わるのだろうか。

「うちのようなIT企業は営業もカジュアルだったんです。いわゆるスマートカジュアルですね。それが外出もしないので、いまはもう少し軽くなってるかもしれません。僕も、いつもこんな感じですし。襟が付いていればいいかな、と思ってます。新しい文化ですよね」

普段のリモート会議を


今回のインタビューも、あえて直接お会いせずにリモートでとお願いした。普段リモートで会議をするような格好で、ということで。すると村上さんはホワイトシャツを着用し、腕にはセイコーの「プレザージュ」 を合わせて画面に現れた。先にも述べたように、リモートでは腕時計はとくに重要なアイテム。村上さんにとって、 腕時計はどのような存在なのか。


セイコー「プレザージュ」。日本のモノ作りの技巧と感性が凝縮された機械式腕時計。正統派でクラシカルなデザインのモデルが多く、ダイヤルに漆塗りの技法や琺瑯などを取り入れた美しいモデルもある。村上さんはそのシリーズを全てを購入したいと語っていた。

「僕の場合、腕時計はジュエリーに近い位置付けです。服に合わせて指輪をするような感じで、完全にファッションの一部ですね。とはいえ、着用すると時間は腕時計で確認するんです。機械式時計しか持っていなくて、すべてアナログなんですが やっぱりわかりやすいので」

アナログ時計だと針の位置で時間がわかるからだ。機械式時計が好きだという村上さんだが、そこはIT企業の代表なのでスマートウォッチをお持ちなのか、ということも聞かねばならない。

「スマートウォッチはしないんです。持ってないです。一生しないと思いますよ。僕は前職からずっとIT企業で、モバイル業界にずっといたので、周りには着けている人が多いですけど、ちょっと自分とは合わないと思ってます。みんな一緒じゃないですか?

いくらデジタル的にフェイスを替えたりしても、基本的にライトは消えているので。それに通知がくるので機械に使われてる感が強い。僕は腕時計をファッションの一部と捉えているので、そういうものが腕にあるのが嫌なんです」
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edit by Ryoj i Fukutome | photograph by Yu Mitamura

この記事は 「Forbes JAPAN No.077 2021年1月号(2020/11/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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