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2020年9月に和歌山市で起こった、猫の殺処分ゼロを目指すためのふるさと納税目的外使用の問題。これを事例として、預かった寄付の適正な使い方や寄付にまつわる倫理について、企業やNPOの社会責任に取り組んでいる川北秀人さん(IIHOE(人と組織と地球のための国際研究所)代表者)に聞いた。

「寄付の拡がりや、市民や企業など、政府以外による社会への投資という観点で考えた時に、社会投資への信頼が揺らぐような問題は困る」と話す川北さんは、寄付や税といった公金を預かる際、アカウンタビリティ、コンプライアンス、ソーシャル・レスポンシビリティの3つの受託者責任を負うと説明した。

前回に引き続き、今回はふるさと納税そのものの是非と、自治体やNPOが施策や活動を行った結果を、お金を出した側がどのように評価していくのがいいのかについて語ってもらった。


ふるさと納税のいいところは「選択的納税」ができること


ふるさと納税には「そもそも反対」という人もいるかもしれません。僕は、ふるさと納税は、選択的納税(使途選択納税)である以上、寄付と同様に、制約の多い行政の予算を補うために、社会への投資の財源として、促すべきだと考えます。

公益法人などに寄付することで、税の負担が少し軽くなるという優遇を受けられるというのはどういうことか。それは、その団体に渡す方が、納税と同じぐらい、あるいはそれ以上に、社会にとって良いことだと思ったから寄付する。その相手先が赤十字だったり、共同募金だったりするわけです。

税制上の優遇措置の適用を受けられる団体では、とても厳しい会計管理を要求され、報告義務もあります。つまり、税制上の優遇を受ける以上、税金を管理する行政と同じ水準の説明責任を要求されています。

ふるさと納税も、各自治体への、目的を示した寄付です。もちろん制度的に問題がないわけではない。しかし、選択的納税ができることは、決して悪いことではない。

がんばっている自治体を応援することは、あり得ていいはずです。被災地の支援はその典型例です。被災した自治体を支援する選択的納税ができることまでを否定する必要性は、ないと思います。

同様に、例えば「子育て支援基盤を強化したい」といった「意思を持った投資」を募る権利、あるいは「住民からの税だけじゃ足りないから応援してほしい」と言う権利は、自治体にはあっていいと思うんです。

編集=縄田陽介

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