各国の国民、政府より企業CEOを信頼 28カ国の調査で判明

Samuel Corum / by Getty Images


実際に、調査では回答者の68%が、政府が社会問題に対処できない時は企業のCEOが介入すべきだと答えた。同様に、ニュースメディアが欠如している場合に情報の空白を埋める責任は企業にあると考える人も53%に上った。

しかし、信頼のおける情報を見つけることは世界的に難しくなっている。回答者の半数以上が、政治家、ビジネスリーダー、ジャーナリストが誤った情報で人々を意図的に欺こうとしていると答えた。

米国では、メディアに対する信頼度がジョー・バイデン次期米大統領の支持者とドナルド・トランプ大統領支持者の間で大きく異なっている。エデルマンが昨年12月に実施した米大統領選に関するアンケート調査では、メディアを信頼する人の割合はバイデン支持者で57%だったのに対し、トランプ支持者ではわずか18%だった。

しかし双方とも、企業に対しては共通した考えを持っている。トランプ支持者の約61%、バイデン支持者の約68%が、信頼できる社会的リーダーはCEOだけだと答えた。だが、調査対象となった米国人の57%は、今や米国は国内の冷戦状態にあると思えるほどに政治とイデオロギーの分極化が進んでいるとの見方をしている。

エデルマンのリチャード・エデルマンCEOは「今は情報破綻の時代だ」とし、「私たちは高い地位にある人からうそをつかれてきた。また、メディアは政治色が濃く、偏っていると思われている。その結果、情報の良し悪しが見極められず、分裂が深まっている」と述べた。

フェイスブックやツイッターが最近実施した誤情報や中傷投稿に対する規制から分かるように、偽情報は今や蔓延している。調査では4人に1人が、「質の高い情報の衛生管理」を心掛け、同じ考えを持つ人々ばかりが集まる“エコーチェンバー”を避けて、情報の信用性を確認し、未確認情報を拡散しないようにしていると回答した。

エデルマンは「先日起きた米議会乱入事件と、新型コロナウイルスワクチンをすぐにでも接種したいという人が全体の3分の1しかいないという事実が、偽情報の危険性を象徴している」と指摘した。

編集=遠藤宗生

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