ワシントン州のジェイ・インスリー知事は1月18日、同州のシアトルに本社を置くスターバックスが11人の従業員をフルタイムで配置し、ワクチン関連の業務の効率化やサポートに取り組むと発表した。
スターバックスの店舗はワクチンの接種拠点としては機能しないが、同社の技術と物流面での専門知識を活用して拠点の選択を支援し、「効率性を重視したワクチンの接種拠点の最適化」を行っていくという。
スターバックスは、ワシントン州がワクチン接種の促進のために発表した、官民パートナーシップの一翼を担うことになる。同州の取り組みでは、マイクロソフトがテクノロジーの支援を行い、コストコの薬局がワクチンの配布を行う。さらに、地元の組合はスタッフやボランティアのトレーニングを支援する。
米国の多くの州では、物流と供給面の課題からワクチンの接種が遅延しているが、ワシントン州は官民の連携により、接種のスピードを上げようとしている。
他の州でもウォルマートやクローガー、CVS、ウォルグリーンなど、薬局を持つ民間企業との取り組みが始まっているが、スターバックスと提携を結んだ州は、ワシントン州のみであり、医療と明確な接点を持たない企業を巻き込むのも、初めてのことだ。
「スターバックスはヘルスケア企業ではないが、3万3000店舗を運営しており、週に1億人の顧客にサービスを提供している」とスターバックスのケビン・ジョンソンCEOは記者会見で述べた。
「当社は優秀なエンジニアたちを含む世界トップクラスのチームを擁しており、州やヘルスケア事業者の指示のもと、マイクロソフトなどの企業と協力して、予防接種センターの創設を支援していく」と彼は続けた。
米疾病対策予防センター(CDC)のデータによると、ワシントン州でこれまで接種されたワクチンの量は、連邦政府から受け取った投与量の35%でしかないという。
米国全土でのワクチン配布は、物流と供給の課題から、不安定なスタートを切っている。さらに、接種の優先順位の高い医療従事者のうち、驚くほど多くの人々がワクチンを拒否している。
トランプ政権は、ワクチンの接種に関わる決定の多くを各州に任せてきたが、バイデン次期大統領は今後、連邦政府にもっと積極的な役割を果たすよう命令すると述べている。