これらの変異種が見つかったことで、海外渡航はますます難しくなっている。世界各国とも、変異種が報告された国・地域からの渡航をさらに厳しく制限するようになった。
最初に見つかった変異ウイルス「B117」は、 11月に英国で発見され、その後ヨーロッパを中心に中東、東南アジア、オセアニアでも次々と確認されている。最新の研究によると、この新規変異種は従来種に比べて感染力が56パーセント強いという。この英国型の変異種はデンマーク、オランダ、北アイルランド、オーストラリアでも確認されている。
12月23日、イスラエルでもB117変異種による4人の感染例が報告された。エルサレム・ポスト紙によると、全員が英国からの最近の渡航者で、現在は自宅で隔離生活を送っているという。
12月24日、ドイツでも英国型の変異ウイルスが確認されたとロイターが報じた。検査で陽性となったのは、12月20日にロンドン・ヒースロー空港からフランクフルトに到着した女性。「ドイツ国内では初の変異種感染例」とバーデン=ヴュルテンベルク州保健省が発表した。
同じく12月24日、シンガポールで最初の英国型変異ウイルスが確認されたとロイターが報じた。この渡航者は12月6日に英国からシンガポールに入国後、隔離検疫措置を受け、12月8日に陽性が判明した。すでに国内で隔離生活を送っていた11人の渡航者も、検査の結果、英国型の変異種に陽性反応を示したことが明らかになった。
第2の変異ウイルス、その感染力は
新型コロナウイルスは「定期的に変異する。2週間に1箇所の割合でゲノム(全遺伝情報)に変異が生じる」と米国疾病予防管理センター(CDC)は述べているが、変異のほとんどはごく微小なものだ。例を挙げると、昨年3月にも、中国の大学の研究者2人がそれぞれ異なる新型コロナウイルスの変異種を発見している。
英国型変異種の特性については今なお検証が続いているが、CDCは初期のデータをもとに、「従来種より急速な感染拡大が予想される」と述べている。
2つ目の新型コロナ変異ウイルスは、英国型よりさらに感染力が強いとみられる。南アフリカで最初に確認され、すでに英国でも急速に広がっていることを英政府が明らかにした。
英保健相マット・ハンコックは23日、南アフリカ由来の変異種について「英国で見つかったものより感染力が強く、変異の度合いが大きい。非常に懸念される」と述べた。
24日、ナイジェリアで第3の新規変異種が生じたとAP通信が報じた。「英国や南アフリカ由来のものとは別の変異種だ」とアフリカ疾病管理予防センター所長のジョン・ヌケンガソンは述べている。