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共感を示すことがプライベートや仕事で大きな効果を生むことは、これまでの研究から示されてきた。人事管理サービス企業の米ビジネスソルバーが昨年行った「職場共感調査(Workplace Empathy Study)」では、従業員や人事担当者、最高経営責任者(CEO)の間では10人のうち9人が共感は組織にとって重要だと考えていることが示された。

共感は、特にメンタルヘルスの重要性を認識している会社では重視されており、現在のグローバルな市場で極めて重要なリーダーシップのツールであり、リーダーシップ能力や職場のエンゲージメントを高めるものとして認識されるようになっている。

共感は、仕事でのコミュニケーションで最も重要な能力の一つされることが多い。また、病気や末期の疾患、失業など、大変な立場にある人との間での崩れかけた関係でも、共感を持つことが奨励されている。しかし、逆に共感を示すべきではない状況は存在するのだろうか?

カリフォルニア大学デービス校の研究チームは、学術誌「パーソナリティー社会心理学ジャーナル(Journal of Personality and Social Psychology)」に先日発表した論文で、この問いに答えようとした。論文では、共感はポジティブな能力とされることが多いものの、常にそうとは限らないことが示唆された。

共感を示す人が好意的に見られるかどうかは、それが誰に対する共感かによる。論文によると、性格に問題がある従業員や、一般的に非倫理的とみなされている白人至上主義者などに共感を示した場合、周囲からは好感や敬意が持たれない可能性がある。

研究チームは、3000人以上を対象に7つの実験を実施。その結果、共感を示している人を第三者がどのように評価するかは、共感の対象により変わることが分かった。

第三者の観察者は、ある人物(共有者)が個人的な体験談を共有しているシナリオを見せられた。体験談は仕事でのプレッシャーなどネガティブなものもあれば、昇進などポジティブなものもあった。人々は体験談に対し、共感あるいは中立の反応を見せた。第三者の観察者は、共感者について好感を持ったり、温かみを感じたりした印象の度合いを評価した。

観察者は体験談共有者の人となりについて、ポジティブあるいはネガティブな説明を受けた。例えば、「この人は白人民族主義団体で働いている」だとか「小児病院で働いている」、あるいは、予防接種に賛成あるいは反対の立場を取っているという情報が与えられた。

編集=遠藤宗生

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