まるで軌道を周回する惑星。文字盤も針もない腕時計「ジュピター」

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スーツをまとい、時計をつける。気が引き締まり、ビジネスモードへと一気に切り替わる瞬間だ。

そんな、ビジネスパーソンにとって欠かせないアイテムの一つである腕時計。ドイツの時計メーカーが発表したこの時計は、「荘厳」ともいえる造形美が印象的だ。


ドイツの時計メーカー、ジーロの最新モデル


これまでは、時計の文字盤に数字が刻まれていなければ、針の指す方向で時間を認識してきた。また、ずっしりと重たくて機能満載の時計より、見た目がシンプルな時計を愛用する人もいる。そんな必要な機能のみがついた時計を好む人々にとってはビッグニュースである。ドイツの時計メーカー、ジーロが発表した新たな腕時計モデル「ジュピター」は数字の文字盤もなければ、針もない。

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新たに誕生したこのモデルは、必要最小限の次元をまったく新しいレベルに引き上げた。ジュピターには、ごく一般的な腕時計についている針がなく、磁力で動くボールが搭載されているため、見た目はまったく腕時計っぽくない。その名は木星に由来している。

アナログ時計史上初の概念


従来のアナログ時計では、12時間で一周する時針と1時間で一周する分針が、歯車の回転に合わせてムーブメントと連動している。よって、ムーブメントなしのアナログ時計が実現するのは遠い未来のことだと思われていた。これは、ジュピターの登場によって初めて生まれた概念だ。


ドイツの時計メーカー、ジーロの最新モデル「Jupiter」

針のない時計の開発は、必要最小限の機能に絞った製作術という点では関連性があるように思えるかもしれないが、時間の表示方法に対する懸念が生じた。そこでジーロが採用したのが、2個のスチールボールだ。サンドブラスト加工でつやのある、油圧プレスされた文字盤の中で、これが磁力によって時を刻む。防水仕様で、ケース素材はステンレススチールだ。

動力源の仕組み、詳細は不明


ジーロによると、外側のボールが時間を、内側のボールが分を刻むという。2つの惑星がそれぞれの軌道上を周回しているかのような外観に、目を見張らされる。スイス製のロンダ751クオーツ時計ムーブメントで駆動し、電池もスイス製のレナータ371/SR920SWを使用している。しかし、磁気を帯びた動力源が正確に動作する仕組みについて、詳細は不明だ。

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新モデル「ジュピター」は、ローズ&ブラック、クロム、ブラック&ローズ、ブラック&クロムの4色展開で、ミラネーゼ・メッシュ・ストラップがついている。価格はそれぞれ199米ドル。

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(この記事は、英国のテクノロジー特化メディア「Wonderfulengineering.com」から転載したものです)

翻訳=神原里枝 編集=石井節子

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