これにより、第4四半期までに経済が全面的に回復する基礎が固まったとエコノミストらは見ているが、それほど多額の歳出は、いずれインフレの問題をもたらすおそれがある。
モルガン・スタンレーは1月7日付けの顧客向け短信において、米国の2021年の国内総生産(GDP)成長率を6%と予測。ほかの専門家の見解をまとめた平均4%という成長率予測と比べて強気の姿勢をとっている。
それが実現すれば、米国が6月下旬までにコロナ以前のGDP水準に復帰するための追い風になるはずだ。これは、米国が年末までにコロナ以前の成長予測の軌道に戻ることも意味する。
また、強力な国内成長、米国の貿易赤字の拡大、そしてドル安は、新興市場に好況の年をもたらすとモルガン・スタンレーは指摘。2021年における新興市場のGDP成長率を7.4%と予測している。
民主党が米国の貿易赤字のさらなる拡大を受け入れる可能性が高いことを考えると、新興市場の成長は、民主党政権によってさらに促進されるはずだ。モルガン・スタンレーのアナリストの予測では、米国の貿易赤字は2021年も高水準を保つとされている。対GDP比で見ると、2020年末時点で15.2%だったのに対し、2021年はおよそ10.7%になると予想されている。
モルガン・スタンレーのアナリストは、物価上昇率が、連邦準備制度理事会(FRB)が長らく維持している2%という目標を「超過」する可能性があるとも予想している。その理由の一部は、「民間セクターの健全なリスク選好」によるものだ。専門家たちはこのインフレーションが、2021年の「市場にとって最大のリスク」になると指摘している。
さらにモルガン・スタンレーは財政支出の拡大について、経済格差の拡大を抑えるためには必要だと認めつつも、「インフレに勢いをつける」ことになると指摘している。この見解をなぞるように、1月7日にはセントルイス連邦準備銀行のジェームズ・ブラード総裁が、2021年には価格変動と、「これまで慣れていた水準よりも高い物価上昇率」が生じる可能性があると発言している。