シカゴ連邦準備銀行のチャールズ・エバンス(Charles Evans)総裁は1月7日、2%の物価上昇率を達成するまでには数年かかるだろうとし、次のように述べた。「状況が本当に変化しつつあると確信するには、インフレを実際に体験する必要があるだろう……インフレを見せてほしい。我々はそれを実際に見る必要がある」
一方、リッチモンド連邦準備銀行のトム・バーキン(Tom Barkin)総裁はその数時間前に、上院でも下院でも民主党と共和党の議席数が僅差であることから、「最も苦しい人たちへの支援は継続」されるものの、より積極的な法律の制定は「現実的な制約」に直面し、「政府支出の急増はおおむね遅れをとる」可能性が高いと述べた。
世界銀行は1月5日、インフレが新たな景気後退の引き金になるとの懸念から警告を発した。債務を抱える米国などの政府が大規模な景気刺激策に支出しているが、金利の上昇が避けられなくなり債務の負担が大きくなれば、今後数年にわたって経済成長が停滞するおそれがあるというのだ。世界銀行は各国に対し、債務への依存度を低くするために、資産を再投資するよう促している。
だがその一方で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが依然として猛威を振るっていることから、救済措置が枯渇しつつあり、低所得コミュニティの状況はいっそう悪化している。ゴールドマン・サックスは1月6日、第1四半期の追加財政刺激策は総額およそ7500億ドルになるとの予測を発表した。